【3月23日付社説】声楽アンサンブル/「ふくしま発」の誇り世界に

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 福島の地で感動を共有し、再会を誓い合う。国内外から集う合唱メンバーや伴奏者たちが、美しいハーモニーを奏でる「ふくしま発」の大会を、大切に育みたい。

 福島市で開かれた今年の第9回声楽アンサンブルコンテスト全国大会には約2千人が出場し、4日間の日程を終えた。

 出場団体数は126。過去最多の39都道府県からの団体参加に加え、インドネシア、フィリピンの海外2カ国からも出場があった。

 2008(平成20)年3月、96団体が参加して初めて開催されてから年々規模を大きくしてきた。

 中学、高校、一般の各部門を集めた国内唯一の声楽アンサンブルコンテストとして、知名度を上げてきたといえよう。

 アンサンブルは音楽をつくり上げる上で最も基礎となる要素といわれ、少人数編成の合唱グループによるコンテストがこの大会だ。

 都道府県の合唱連盟などから推薦された団体と、公募で審査を通った団体が出場できる。年々推薦団体数が増え、その分、公募枠が狭まり審査を通るのが厳しくなっているという。それだけ、国内外から目標とされる大会に育ってきたともいえる。

 今年は各部門の金賞受賞の15団体による本選で、順位が与えられる5位までを、大会史上初めて県勢が独占した。1位となった郡山五中は2年ぶり3度目の「日本一」の栄冠だ。

 数々の合唱コンクールで、県勢が好成績を収めてきた「合唱王国ふくしま」の名をあらためて知らしめた。県民の誇りであり、励みになる快挙とたたえたい。

 大会は県と県教委、県合唱連盟などでつくる実行委員会が主催している。11年の第4回大会は震災と原発事故の影響で中止を余儀なくされたが、翌年には第5回として大会を再開した。

 出場団体からたくさんの応援メッセージや支援が寄せられた第5回からは、「震災後の想(おも)いを紡いでいく」との意志が込められた全体合唱曲を、出場者らが表彰式後に演奏する大会になった。

 復興への応援と励まし、それに対する感謝の気持ちがハーモニーとして奏でられる大会の感動を大切にしたい。

 大会は、出場者たちが互いの健闘を誓い合い、親交を深める交流の場でもある。海外からの出場団体と県内の合唱団や高校の合唱部員らとの交流会も開かれている。

 合唱を通した結び付きを強め、本県の復興・再生に生かしたい。芸術や文化は、県民の活力を生む原動力になるはずだ。