【3月26日付社説】北海道新幹線開業/新たな交流生み出す契機に

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 北海道新幹線はきょう開業日を迎えた。北海道と東北地方との広域連携に生かし、新たな交流の動きを本県につなげたい。

 折しも県内では、JR東日本と連携した昨年の大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」の後継キャンペーン「アフターDC」が、4月から始まる。

 県やJRなどは、昨年に引き続いて「花」「食」「温泉」をテーマにしたキャンペーンを展開し、首都圏と同様、北海道内からの誘客を図る考えだ。

 ただ、東京駅と新函館北斗駅を直通運転するダイヤには上下線とも、県内の停車が組み込まれていない。

 北海道から見た場合、開業する新函館北斗駅―新青森駅から先の区間の停車駅は盛岡駅と仙台駅で、それから大宮駅までノンストップとなる。

 何も手を打たなければ、北海道からの乗客が抱く本県の印象は、車窓で見るだけのものにとどまってしまう。
 このハンディを乗り越え、どのように人の流れを呼び込むか。北海道新幹線の開業とアフターDCの開催を試金石と捉え、官民挙げて知恵を絞ることが重要だ。

 まず大事になるのが、本県の観光の魅力をどう磨き上げ、発信していくかだろう。花の名所や癒やしの温泉、伝統に根ざした食や評価の高い日本酒など観光に生かせる素材は多彩だ。

 本県が有する歴史や文化、自然は、子どもや若い人たちの教育旅行の格好の題材になるはずだ。

 北海道を訪れる外国人観光客にも目を向けたい。一つの例だが、「爆買い」に日本を訪れる中国人には、リピーターが多いという。

 欲しい物の買い物が一通り済んで、次に日本に訪れる際に引きつけられるのが、里山の原風景や景観、伝統的な街並みという。

 県内でも奥会津の只見線の風景が個人のSNS(会員制交流サイト)で発信され海外の観光客に共感が広がっているとの例もある。

 人を引きつけるには「おもてなし」も鍵を握る。旅行客に心温まる時をどれだけ提供できるか、地域を挙げて、おもてなしを充実していくことも大切だ。

 北海道からの観光客が新幹線で盛岡や仙台に降りてから、本県まで足を延ばせるようにするためには、飛行機やバスと組み合わせた広域的な観光ルートを本県から提案していくことも欠かせない。

 北海道新幹線は15年後には札幌まで延びる。長期的な視点で活用策を考えることも重要だ。