【4月7日付社説】中高生の英語力/「学び」と「教え」の好循環を

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 グローバル社会の到来で英語の必要性は増すばかりだ。子どもたちの英語力向上に力を注ぎたい。

 文部科学省が全国の公立中高校を対象に行った「2015年度英語教育実施状況調査」の結果を公表した。それによると、高3生で実用英語技能検定(英検)の準2級程度以上の英語力があると判断されたのは34.3%、中3生で英検3級程度以上の力を持つと判断されたのは36.6%だった。

 今回は都道府県別の結果も初めて公表された。本県の高3生は24.6%で全国45番目、中3生は32.0%で33番目の水準だった。

 調査に当たっては、英検などの資格がない生徒は授業の様子や定期テストの結果で教員が独自に認定した。文科省も「判断に統一基準はなく、自治体によって数値の価値に若干のばらつきがあるのは仕方ない」とする。とはいえ全体の傾向をつかむ目安にはなる。結果を冷静に受け止めて着実に水準を上げる契機にしたい。

 ハードルはかなり高い。政府は東京五輪なども見据え、17年度までに高校卒業段階で英検準2級程度以上、中学卒業段階で英検3級程度以上の生徒の割合を50%にするとしている。県教委は調査を受けて指導の充実などに努めるとしているが、メニューの数だけでなく実効性を高めることが肝心だ。

 英語教育に実績を上げている自治体を参考にしたい。県内では05年度から幼小中一貫教育に取り組む磐梯町の例がある。外国語指導助手(ALT)の2人制などに取り組んでおり、中3生までに英検3級以上を目指す。5~7割の生徒が取得を実現しているという。

 今回調査で、中高ともに生徒の英語力が全国平均より高かった千葉県は15年度から「読む・聞く」の2技能を測る試験を公立中高のほぼ全校で導入した。過去問を活用しており、費用はかからない。

 自治体によって規模などが異なり、同じような取り組みがどこの自治体でもできるとは限らない。全体的に底上げするには国の財政支援が課題になるとしても、まずは各自治体が独自の施策に知恵を絞り実行することが大切だ。

 政府は、17年度までに英検準1級相当の資格を高校教員で75%、中学で50%が取得する目標を掲げている。調査では全国平均が高校57.3%、中学30.2%。本県は高校40.4%、中学16.6%で、ともに全国46番目だった。

 生徒の英語力を伸ばすためには教師の指導力向上も欠かせない。資格取得イコール指導力ではないが、より多くの教師が取得を意識し、指導力に磨きを掛けてほしい。