【4月8日付社説】桃田選手賭博関与/五輪絶望は残念でならない

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 あまりに残念でならない。

 8月に開幕するリオデジャネイロ五輪で県勢選手として、メダルの獲得が期待されていたバドミントン男子の桃田賢斗選手(NTT東日本、富岡高卒)の五輪出場が絶望的になった。

 違法賭博への関与が分かったからだ。自転車競技で、県勢初のリオ五輪代表2選手が決まった矢先のニュースだけに、県内に走った衝撃の大きさはどれほどのものかは言うまでもない。

 桃田選手は、所属が同じ2012年ロンドン五輪代表の田児賢一選手と都内の違法カジノ店に出入りしていた。

 この店はトランプのバカラ賭博を開いていた。警視庁が昨年4~5月に摘発し、経営者や指定暴力団の組幹部らを逮捕、暴力団の資金源になっていたとみている。

 桃田選手、田児選手とも所属会社の調査に違法カジノ店で賭博をしたことを認めている。両選手がしたことは、結果的に反社会勢力にくみする行為になる。高潔性や規範意識が求められるスポーツ選手に、あってはならないことだ。

 21歳という桃田選手の若さが招いたとしたら、社会人として成熟していないということだろう。

 昨年からプロ野球界で賭博問題が拡大し、スポーツ界でもコンプライアンス(法令順守)の重要性が叫ばれている。

 スポーツ選手は、子どもたちのあこがれを集め、多くの観衆に夢や目標、元気を与えてくれる存在だけに、自己を律することが大切になる。

 まして桃田選手は世界トップクラスのアスリートだ。スポーツ界全体で選手の人間力を磨く必要があることを改めて肝に銘じたい。

 桃田選手は香川県から親元を離れ、富岡高と中高連携でバドミントンの強化プログラムを始めていた富岡一中に入学した。

 富岡高在籍時には震災と原発事故で避難を強いられた。猪苗代町のサテライト校で練習に励んで世界へと駆け上がり、3年のときに日本人初の世界ジュニア王者の栄冠を手にした。

 桃田選手にとって本県は中学、高校時代を過ごした第二の故郷だろう。「僕が勝てば世界の人が富岡を知る」と、五輪にかける思いはメダル獲得だけではなかった。

 今回の問題を受け、日本バドミントン協会は10日に桃田選手らの処分を協議するが、日本代表として日本オリンピック委員会(JOC)に推薦しない見通しだ。

 五輪の大舞台で躍動する桃田選手の姿に期待が大きかった県民にとっても無念さはあまりある。