【4月14日付社説】いわきサンシャイン博/新たな「半世紀」への弾みに

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 いわき市が新たな半世紀へと確かな一歩を踏み出すための大きな弾みにしたい。

 同市の市制50周年を記念して、市内全域を博覧会場に見立てた年間イベント「いわきサンシャイン博」が始まった。

 サンシャイン博は、旧14市町村を基に13エリアに分け、来年3月までの1年間、各地域が持つ観光資源やイベントを組み合わせた事業を繰り広げる。復興に向けて進む姿を観光客に発信するとともに、市民も地域の魅力を再発見する契機になるよう期待したい。

 同市は1966(昭和41)年10月1日に14市町村が合併して誕生した。面積は1232平方キロで、合併当時は国内にある市の中では最も広かった。沿岸部から中山間地まで多様な地域性があり、現在も旧市町村ごとに特色や伝統が受け継がれている。

 同市には国宝の白水阿弥陀堂やいわき湯本温泉、海水浴場など、いわきならではの観光資源がたくさんある。一方で、守り続けてきたじゃんがら念仏踊りや祭りなど多様な伝統文化もある。

 人口減少や過疎化が進む地域もあるが、サンシャイン博では観光コースに、観光資源や伝統文化などをうまく組み込み、観光客や市民に目を向けてもらうことが重要だ。地方創生にもつながる取り組みにしたい。

 同市の沿岸部は、東日本大震災の津波で大きな被害を受け、5年がすぎたいまも爪痕が残る地域がある。現地では震災を経験した語り部らが活動している。県内外から訪れる人々に、経験や教訓を伝えることが震災の風化を防ぐことにつながるだろう。

 同市には原発事故の影響で、双葉郡などから約2万人が避難している。避難している人々の中には市内に住宅を購入するなどして移住を決めた人も多い。まちの姿も変わってきており、それとともに住民間の一体感の醸成が必要となっている。

 より多くの住民がサンシャイン博に参加することで、地元への理解と愛着が深まる。住民同士の絆も強まるはずだ。

 サンシャイン博は「観(み)る」「学ぶ」「交流する」の三つのテーマを軸にイベントを展開する。季節ごとにオープニングイベントを開いて盛り上げる予定という。

 ただ、市などでつくる実行委員会によると、今後、内容を詰めるイベントも多いようだ。同市のさまざまな自然や文化などを十分に生かし、魅力を存分に伝えることができるようなプログラムをつくり、交流人口の拡大を目指したい。