【4月16日付社説】子供の貧困対策/連鎖から救う手だて整えよ

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 経済的に苦しい家庭の子どもをいわゆる「貧困の連鎖」から救うための手だての一つとして、子どもたちが安心して日常生活や学習ができる環境を整えていきたい。

 県は貧困対策を加えて改定した子育て支援計画「新生子ども夢プラン」を策定した。この計画に沿って、子どもの学習を支援するための居場所を開設したり、親の収入増を後押しして子どもの生活環境向上のための施策に取り組む。

 子どもの居場所づくりは、まずはモデル事業として郡山市の民家を借り受けて行う。放課後や週末に、ひとり親家庭の小中学生を受け入れる。ひとり親家庭の子どもの中には自宅での学習習慣がなかったり食生活の乱れが見られることがある。そのため居場所では学習指導のほか食事の提供も行う。

 県はモデル事業の効果や課題を検証した上で各市町村に居場所の開設を呼び掛ける。県は運営の在り方を各市町村にしっかり示すことが重要だ。設置に関する財源の補助も検討しなければならない。

 県は生活保護の受給世帯などの中高生に対し、支援員が自宅を訪問して勉強を見たり、学校生活の悩み相談に乗る事業も始める。

 県内では生活保護世帯の高校進学率が一般世帯より低かったり、中退率が高い傾向がある。そのため、元教員などが支援員となって定期的に子どもに接し、学力向上や中退の防止などにつなげる。

 県の訪問事業は、59市町村のうち46町村で行う。13市については、各市それぞれが学習支援を実施するか独自に判断する。このうち福島、郡山、いわき、会津若松の4市では実施が決まっている。残る9市でも取り組みを検討してほしい。

 平均所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は16.3%(全国、2012年)だが、ひとり親世帯に限ると54.6%に上昇する。家庭の経済格差が子どもの進路選択を狭めている側面は強い。子どもの進学を支えるには、親の収入増が求められる。

 そのため県は、ひとり親家庭の親が看護師や介護福祉士など専門資格を取得する際、養成学校の入学金や卒業後の就職準備金を貸し付ける。卒業後は一定期間勤務すれば返還を免除する。親が安定した職に就けば、家計の状況が上向くことが期待できる。親が職業能力を磨くための後押しが大切だ。

 貧困が連鎖し、結婚や出産をあきらめる若者が増えれば、人口減少に拍車を掛けかねない。貧困の連鎖を断ち切るために総合的な施策を展開したい。