【4月17日付社説】九州で地震相次ぐ/総力挙げ被災者救援を急げ

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 九州を揺らす地震が止まず、被害が拡大している。16日には熊本県から大分県にかけた広い範囲で建物の倒壊や火災、山崩れが相次ぎ、再び多数の死傷者が出た。

 国を挙げて被害の全容把握を急ぎ、救命救助活動や被災者支援に総力を注がなければならない。

 14日夜に熊本県益城町(ましきまち)でマグニチュード6.5、震度7を観測して以降、地震が多発している。

 16日未明には、マグニチュード7.3、震度6強を観測した。阪神大震災に匹敵する規模だ。地震の規模を示すマグニチュードの数値が大きいほど、地震が発するエネルギーが大きいということだ。

 気象庁はこの地震を「14日以降に発生した地震の本震と考えられる」との見解を示した。14日夜の地震は「本震」の前兆に当たる「前震」とみられるという。

 熊本県内では一連の地震で、16日夕までに30人超の犠牲者が確認されている。気象庁などは、14日の地震発生段階で「本震」への注意を呼び掛けられなかったのか。改めて地震予知の難しさを浮き彫りにしたといえよう。

 16日には、それまでの地震で半壊状態だった家もことごとく崩れた。半壊した家に帰宅して生き埋めになった住民もいたという。

 今回の地震は内陸の活断層が動いて引き起こされた可能性が高い。益城町は「日奈久(ひなぐ)断層帯」と「布田川(ふたがわ)断層帯」が交わる地点に位置し、14日夜の地震は日奈久断層帯のずれによるとみられる。

 16日未明からは熊本県から大分県に延びる布田川断層帯に沿った震源が目立つ。地震の専門家は二つの断層帯で連鎖的に地震活動が移ったとみているようだ。

 内陸の活断層によって引き起こされる地震が「直下型」だ。大地を突き上げる激しい揺れの脅威を直視しなければならない。

 本県にも、福島盆地と会津盆地のいずれも西縁に断層帯が確認されているほか浜通りには双葉断層がある。「直下型」の地震への備えを新たにしたい。

 今回の地震は、熊本地方から阿蘇地方、大分県内へと被災地域が拡大している。土砂崩れによって道路や鉄路の寸断が広がり孤立も心配される。ガソリンや物資の供給を滞らせてはならない。

 避難所に身を寄せる住民も増えている。断続的に続く激しい揺れにおびえながらの避難はダメージが大きい。降雨への心配も増す。

 避難の長期化に備え、官民を挙げて避難者の心身のケアに最大限の支援を差し伸べなければならないのは、東日本大震災と原発事故の教訓でもある。