【4月20日付社説】医療支援センター/安心して産み育てる環境を

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 県内に住む女性が子どもを安心して産み、育てやすい環境を整えることは、本県の復興と地方創生への対応の重要な柱の一つだ。

 医療面で、その一端を担うのが、福島医大に開所した「ふくしま子ども・女性医療支援センター」になる。

 センターの役割は、子どもと女性の医療に携わる人材の養成だ。震災前から顕著だった小児科医や産婦人科医の不足状況を解消し、子どもと女性の健康を支える医療水準の向上を目指してほしい。

 センターは、産前産後の母子ともに注意が必要な周産期の医療を中心に子どもの成長や女性の健康を一貫して支援するのが目的だ。

 支援の一環として取り組む人材養成では、全国から専門的な医師を指導医として招き、同大の学生や研修医、県内の拠点病院の医師らを対象に実践的な指導を行う。

 同大付属病院での高度な診療や、同大の産科婦人科講座、小児科学講座で行われている教育や研究も指導に組み込む。

 全国から産婦人科や小児科医を志す研修医らが集まるように、専門性や水準の高い診療の指導・研修内容を構築することが重要だ。

 県内では震災前から周産期医療の医師不足が懸念され、震災以降はより深刻化している。

 厚生労働省によると、2014年末時点の15~49歳の女性10万人当たりの産科医数は、全国平均で42.2人。本県は35.7人にとどまっており、都道府県別でワーストの4位と低水準にある。

 子どもを産む女性の医療の充実が急務といえる状況だ。センターは周産期を中心とした母子への医療支援と併せ、子育てを終えた後までも女性への医療支援を充実させる考えでいる。

 子どもの成長も支えながら、女性への医療支援に当たるセンターの取り組みは、全国的にも例がないという。

 より多くの若手の担い手を育てることで、県内への専門医の定着につなげたい。

 センターでは、養成した人材を県内各地にある中核的な周産期医療、小児医療の病院に派遣したり、診療指導に当たる考えだ。

 受胎や分娩(ぶんべん)、育児のそれぞれの段階で女性や子どもの健康を守るためには、身近にある医療機関の診療体制の充実も不可欠だ。

 妊産婦や新生児がかかる急性の重症疾患に即応できる医療環境や救急体制があることが、女性にとっては安心の前提になる。

 センターには人材養成を通し、地域医療の充実にも役割を果たすことが求められる。