【4月24日付社説】熊本地震から10日/震災経験を支援に生かそう

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 熊本、大分両県で甚大な被害が出ている熊本地震は、「前震」の発生から10日を迎えた。

 大規模な土砂災害の発生現場では安否不明者の捜索活動が続く。被災各地で倒壊した建物の片付けが進まず、避難所に身を寄せたり、車中泊を続けている住民の疲労の度合いが増している。

 救援活動の本格化が急務だ。

 一方で、九州新幹線がきのう博多―熊本の営業運転を再開した。本州と熊本県をつなぐ動脈の復活だ。人の動きを活発化させ、被災地支援が加速するよう望みたい。

 被災自治体では、人手不足が深刻だ。東日本大震災の教訓を生かした具体的な災害対応を取る人的支援を届けることが、震災を経験した本県の役割でもあろう。

 県は被災した建物の危険度判定の資格を持つ職員の派遣など、実際の災害対応支援を始めている。

 先遣の職員からは、被災自治体では、被災状況の把握もままならない様子など、自治体の混乱ぶりが報告されている。

 避難所の運営や、全国から寄せられる支援物資を仕分けして避難住民に送る作業なども要員の確保が必要な状況という。

 庁舎が被害を受けて使えず、職員の多くも被災している厳しい状況下での災害対応だ。似たような状況だった県内自治体の経験を踏まえた助言や、震災後に県が作成した避難所運営マニュアルなども活用の道があるだろう。

 熊本県内では今後、仮設住宅の建設が始まる。本県と岩手、宮城の震災の被災3県から、仮設建設支援のための職員が派遣される予定だ。家を失った住民の住まいの確保を急がなくてはならない。

 避難所での不自由な生活や、車中泊を続けている住民の健康や精神的な疲労が心配だ。エコノミークラス症候群で亡くなる人も出ている。医療や介護の支援の手も充実させなければならない。

 本県から救急治療を行う災害派遣医療チーム(DMAT)に続き、心のケアに当たる災害派遣精神医療チーム(DPAT)が現地入りした。被災者のストレスや不安に寄り添うケアを求めたい。

 民間の団体や企業からも応援の派遣や支援物資が送られている。被災自治体ではボランティアの受け付けも始まり、市民レベルの支援活動も活発化する。

 ただ、激しい余震や土砂災害に十分に注意を払うことが重要だ。

 被災地では日々刻々と状況が変化していく。被災者にどのような支援が必要なのかをしっかりと把握し、本県からの支援活動の輪を広げたい。