【4月28日付社説】なりすまし詐欺/被害ゼロへ関心高め合おう

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 「なりすまし詐欺」の手口が巧妙化し、1件当たりの被害が高額になっている。警戒を怠れない。

 県警は、今年に入り15日までに確認されたなりすまし詐欺の被害総額は1億842万円に上ると発表した。件数は32件で平均被害額は338万円となり、昨年1年間の平均額を58万円も上回る。


 県警によれば、電話で何度も現金振り込みなどの要求を受け、結果的に被害額が膨らむケースが目立つという。現金が必要という電話がかかってきたら、まず詐欺を疑い、つけ込まれる隙を与えないことが肝要だ。

 特に被害が増えているのが、医療費などが戻ると言って金をだまし取る「還付金詐欺」だ。前年同期は1件しか確認されていなかったが、今年は既に7件発生している。

 手口はこうだ。犯人はまず、家に電話をかけてきて現金自動預払機(ATM)に行くよう指示する。次に携帯電話でATMの操作を説明し、還付金が戻ると思わせながら、逆に被害者の口座から、犯人の口座に現金を振り込ませてしまうよう巧みに誘導する。

 金融機関でなく、スーパーなどに設置されているATMを使うよう指示するケースが多いという。監視の目をかいくぐろうという狙いがあるのは明らかだ。

 ATMで順番待ちしていた人が、前で操作をしている高齢者の様子がおかしいことに気付き、声を掛けて被害が未然に防がれたケースもあるという。なりすまし詐欺に遭う可能性が身近にあるという意識を地域で共有し合いたい。

 不審電話を「撃退」する対策も急がれる。県警は昨年11月から、かかってきた番号が非通知の電話はつなげない機能や、全ての電話の相手に「会話内容が録音されます」とメッセージを流す機能を備えた装置の利用を促している。

 これまでに警察署を通して貸し出してきた結果、装置を設置した世帯からの被害の報告はないという。県警以外では、福島市や二本松市、北塩原村など県内6市村で独自に装置を貸し出している。

 県警は、被害の防止に効果があるとみて、高齢者世帯に設置を促す方針だ。ただ、装置を個人で設置するとなると、費用負担が生じる。県警や自治体が連携し、多くの世帯に装置が行き渡るよう施策を講じることが重要だ。

 被害を防ぐためには、普段から離れて暮らす家族の安否をこまめに確認するなど、コミュニケーションを取ることも大切だ。明日からの大型連休を、大切な家族がなりすまし詐欺に遭わないための会話を交わす機会にしたい。