【5月1日付社説】県産農産物/おいしい評価と信頼守ろう

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 放射性物質の検査を厳格にし、基準値を超えたり出荷制限が指示されている物を店頭に出さない。このことを徹底することが、県産農産物を守るための生命線だ。

 先日、国から出荷制限の指示が出ている本宮市で採れたタケノコが、大玉村のスーパー内にある農産物直売所で販売されていたことが判明した。

 報告を受けた県によると、持ち込んだ地元の人は出荷制限の対象になっていたことは把握していたというが、「年が変わったので大丈夫」と判断したようだ。

 県などが改めて認識しなければならないのは出荷制限の仕組みが周知されていないということだ。

 制限解除のためには、放射性セシウムの検査で「安定して基準値を下回る」ことが確認され、解除後の検査計画や出荷管理が適正に行われることが確実に見込まれることが必要になる。

 ここでいう「安定して下回る」とは、例えば「3年連続の検査で」とか「地域内の複数の採取場所の検査で」という意味合いだ。

 経年の検査結果と地域的な範囲の検査結果の双方で、安定して下回るという重層的なチェックがなされなければならない。

 農林水産物の検査では、収穫時期にならなければできない品目が多い。栽培野菜などは種まきの時期をずらしながら重ねて検査を行うことができるが、タケノコや山菜など野生で採れる物は、収穫時期の検査に限られる。

 年に1度の収穫ごとに出荷の制限が更新されるだろうという誤解を生みやすい下地があるということを、今回のタケノコ出荷のケースからくみ取る必要がある。

 産物が直接持ち込まれる直売所では、張り紙などで出荷制限品目を知らせ、担当者が確認している。県は職員を巡回させ、店頭に並んだ産物をチェックしている。

 今回のケースは納品時の確認がされないまま店頭に並べられたようだ。県が同じ場所で採取したタケノコを検査した結果、基準値を大幅に下回ったが、販売品目を回収しなければならない事態だ。

 県をはじめ行政と生産、流通、販売の関係機関が一体となり、再発防止に努めなければならない。

 県内ではこれまでも出荷制限の指示が出ているユズがスーパーで販売されたり、放射性物質の抽出検査が済んでいない地区から、ダイズとアズキが出荷されたケースが起きている。

 出荷や検査ルールの周知徹底が県産農林水産物のおいしさへの評価と信頼を得ることにつながると、肝に銘じなければならない。