【5月3日付社説】「健康」県民運動/成果目標を掲げ機運高めよ

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 「健康」をテーマに、県が2020年度までの5年間に取り組む県民運動を盛り上げるためには、5年後の県民の健康状態をどれほど良くするのか、といった具体的な成果目標が不可欠だ。

 県は、関係団体や企業、行政機関などで構成する県民運動の推進組織を6月に設立する予定で準備を進めている。

 医療や福祉の面からの健康増進の取り組みをはじめ、スポーツや食の分野でも健康づくりの実践を広げ、県民一丸となった機運を高めよう、という考えだ。

 県民運動では、県民に意義や目的を理解してもらい、参加を促すことが重要になる。そのためにも成果目標を掲げることが必要だ。

 県民が分かりやすい項目の一つが健康指標だろう。例えば、動脈硬化の危険因子とされるメタボリックシンドロームの指標。本県では震災と原発事故後、悪化の傾向をたどっている。

 県によると、特定検診で該当する県民の割合は2011年度が15.8%(全国平均14.6%)で、都道府県別でワースト10位だった。それが12年度は16.3%でワースト4位、13年度は16.5%でワースト3位に上昇した。

 全国平均が下がっているのと対照的だ。大人になってからのメタボが心配される子どもの肥満も改善傾向にあるが、全国平均を上回っている。指標の改善は、県民の健康にとっては喫緊の課題といえよう。

 これを県民運動の5年間で、一定の水準まで改善させるといった成果の数値目標があれば、関係機関を交え、目標達成に向けた努力を引き出すことにもなるだろう。

 ただ、これまでの県民運動の在り方の検討では、県は成果目標の設定を明確にしていない。

 健康指標の改善は保健医療の施策の範囲内という考えがあるのだとすれば、県民運動の広がりに欠けると認識しなければならない。

 成果の目標を明確にし、生活習慣をはじめ食生活の改善やスポーツの実践などを一体的に健康指標の向上につなげることが重要だ。
 企業や学校、地域ぐるみで関心を高めるためにも県民運動の具体的な成果目標を示す必要がある。

 今回の県民運動の最終年度となる20年度は、東京五輪・パラリンピックの開催年であり、震災から10年とされている国の復興期間の終期の年ともなる。

 福島県に住んでいるからこそ、健康で長生きできると、県民が誇れるような健康づくりの理想を追い求め、復興の姿として国内外に発信したい。