【5月4日付社説】女性の活躍推進/節目を働き方改革の契機に

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 「男女雇用機会均等法」が施行されて30年、そして「女性活躍推進法」が本年度から全面施行された。今年は働く女性にとって節目の年だ。女性が働きやすい環境づくりのために官民がともに力を合わせ、知恵を出し合っていきたい。

 均等法は、採用や昇進などの女性差別解消を目指して1986年に施行された。しかし共同通信の調査(昨年10月時点)によれば、86年に第1期として大手企業に入社した女性総合職の約80%が退職していた。長時間労働などの慣習が変わらず、育児と仕事の両立支援が遅れたのが要因とみられる。

 同調査では、その後の世代の動向も聞いた。それによれば、採用差別禁止が企業の努力義務から義務になった99年採用の女性総合職(40歳前後)も74%、転勤経験などで昇進に差をつける間接差別が禁じられた2007年採用(30代前半)も42%が退職していた。

 この30年間で、育児に関する法整備などは進んだが、いまでも結婚や出産を機に離職する女性は多い。仕事か、子育てかの二者択一を迫られる状況は少子化の要因にもなっている。長時間労働の是正や、育児で一度離職した女性の復職支援など仕事と家庭が両立できる環境整備が急務だ。

 女性活躍推進法は、企業や自治体に女性の登用目標などを盛り込んだ行動計画の策定・公表を義務付けている。女性管理職がまだまだ少ない現状を変えていくために目標を設けて取り組む意義は大きい。企業や自治体にはより積極的な取り組みを求めたい。

 ただ現実は容易でなさそうだ。政府は「第4次男女共同参画基本計画」で、都道府県の課長級の女性登用目標を20年度末で15%としたが、県が行動計画で掲げた目標は8%とかなり低く設定された。

 県は「女性職員の在職数や登用年齢などを勘案すれば現実的な数値」とするが、これまでの取り組みの不十分さが表れた結果ともいえる。政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」では女性にもリーダーとしての活躍を期待する。本県を復興、創生させるためには女性の力を最大限に生かすことが必要であることを銘記したい。
 自治体同様、計画策定が義務付けられている従業員301人以上の企業をみれば、法施行の4月1日までに計画を届け出たのは全国で71・5%。本県は全国を上回ったものの77・6%という状況だ。

 男女を問わず能力をフルに発揮できるようにすることが企業を成長させるための原動力となる。いまが企業を、職場を、大きく変える好機と捉え改革を進めたい。