【5月7日付社説】若者の早期離職/連携強め効果的な手だてを

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 若者の不本意な早期離職をなくすためには、学校と企業、労働行政を担う関係機関などが一体となって、より効果のある手だてを講じていかなければならない。

 福島労働局によると、2014年3月の県内高卒者が就職後1年目に離職した割合は21.0%で、全国平均を1.6ポイント上回った。

 本県は、就職後3年以内に会社を辞める「早期離職者」の割合が全国に比べて高い傾向にある。特に1年以内の離職率が高く、数値を押し上げる形になっている。

 中でも東日本大震災と原発事故の影響を受けた10年3月高卒者の1年目離職率は29.8%と全国を10ポイント以上も上回った。その後、全国との差は縮小傾向にあるが、依然として全国平均を超えている。

 1年目の離職率が高い理由について福島労働局、県ともに分析し切れていない状況だが、福島労働局が早期離職者を対象に行った調査によれば、職場の人間関係、仕事内容のイメージとの相違、労働条件に対する不満―が、離職の三大要因として挙げられる。

 離職はステップアップを目指す場合もあり一概に否定はできないが、望む職種に再就職できなければ不安定な生活を余儀なくされる可能性もある。採用企業にとっても損失が大きく、県外流出につながれば、復興と地方創生を目指す県全体にとってもマイナスだ。離職者や企業の声を聞き、要因を詳しく分析することが重要だ。

 先日開かれた「県新規高卒者就職促進対策会議」では、県や県教委、福島労働局などから早期離職を防ぐための対策が示された。

 学校に対しては、就職相談や適性診断の1年生からの前倒し導入や、卒業生が学校に出向いての意見交換など、企業に対しては、人材定着に悩みをもつ企業へのコンサルタントの派遣や、社員への相談体制強化などが打ち出された。

 早期離職を減らすためには、雇用のミスマッチを防ぐとともに、就職後のフォローアップが欠かせない。生徒、学校、企業のそれぞれが意識を高めていくことが肝心だ。対策が成果を上げるよう関係機関は情報共有など一層の連携強化に努めてほしい。

 昨年成立し施行された若者雇用促進法では、新卒者を募集する企業には採用者数や離職者数、月平均所定外労働時間などについて、就活生から求められた場合の情報提供が義務付けられた。

 職場の実態を事前に知ることで就職先を選びやすくし、望まない早期離職などでつまずくのを防ぐ狙いがある。政府には促進法の趣旨と内容の周知徹底を求めたい。