【5月8日付社説】みんゆう県民大賞 /古里への誇りが明日を開く

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 福島を誇りに思う。県民がそう胸を張れる功績を残した人たちとその活動を、心からたたえよう。

 県民の栄誉にふさわしい業績や成果を上げた個人・団体を顕彰する「第26回みんゆう県民大賞」の受賞者が決まった。

 芸術文化賞は「福島の花」の作品を発信している写真家の野口勝宏さん(郡山市)、スポーツ賞は「空のF1」と呼ばれるエアレースのパイロット室屋義秀さん(福島市)が受賞した。

 ふるさと創生賞には、全国新酒鑑評会で3年連続の金賞受賞銘柄数日本一を成し遂げた「ふくしまの酒蔵」(県酒造組合、新城猪之吉会長)が選ばれた。

 芸術文化賞の野口さんは猪苗代町生まれ。東日本大震災を契機に「花の力で人を元気にしたい」と、「福島の花」シリーズの制作をライフワークにしてきた。

 国内外で作品展を開催し、昨年は国際的な第35回ニコンフォトコンテスト2014―2015の写真部門で日本人初のグランプリを獲得した。作品は全日空が14日に就航させる東北フラワージェットの機体デザインにも採用された。

 「福島の花」の発信を通し「私たちが古里への誇りを持ち続けていることを知ってほしい」というのが野口さんの願いだ。

 スポーツ賞の室屋さんは世界を転戦する飛行機の「レッドブル・エアレース」に日本人で唯一、参戦を続けている。

 14年シーズンの第2戦では3位に入りアジア人で初めて表彰台に立った。15年のシーズンでは総合順位で自己最高の6位となった。

 室屋さんは奈良県生まれ。1999年に福島市のふくしまスカイパークに活動拠点を移し、エアショーや子ども向けの航空教室を開く活動も続けている。

 世界の舞台で活躍していながら、常に「福島の支えがあってこそ」と感謝の気持ちを忘れない。

 ふるさと創生賞は、前回までのふるさと賞を刷新し、地域の特性を生かした活性化の取り組みをたたえるものだ。

 「ふくしまの酒蔵」は県内の蔵元が受け継いできた技術の向上に加え、清酒アカデミーなどで若手の育成に力を入れてきた。

 各蔵が自慢の酒を出品する全国新酒鑑評会での金賞銘柄数3年連続日本一は、本県の日本酒の質の高さを証明した快挙だ。

 県産酒の魅力と「酒どころ福島」を全国に発信した功績は受賞にふさわしいといえよう。

 受賞者から復興に立ち向かう熱意とひたむきさを学び、本県の明日を開く力の糧にしたい。