【5月14日付社説】熊本地震1カ月 / 早急に復旧を軌道に乗せよ

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 熊本地震の発生からきょうで1カ月。熊本県内に入った本紙記者のルポは、いまだ被災地の復旧は遠く、避難中の住民に疲労が募る様子を伝える。なんとしても復旧を急がなければならない状況だ。

 先月14日夜の「前震」と同16日未明の「本震」で震度7の地震を観測した益城町(ましきまち)では、民家がつぶれたままだったり、がれきの片付けができていない。

 大規模な土砂崩れに見舞われた南阿蘇村でも道路や橋が寸断された現場はほぼ手付かずのままだ。

 被災地では依然として地震がやまず、避難所をはじめ、車中泊やテントで寝泊まりを続けている人たちのストレスや生活の不自由さからくる健康状態が懸念される。

 政府が熊本地震の復旧対応のために編成した総額7780億円の本年度補正予算案がきのう国会に提出され、審議入りした。17日にも成立する見通しだが、一日も早く被災地の本格復旧、住民の生活支援に生かすことが求められる。

 補正予算総額のうち、全体の9割近くを占める7千億円が、インフラ再建などに使うための復旧等予備費だ。がれきの処理や道路の復旧、被災企業の再建支援などが対象になるが、あらかじめ使い道を定めていない。

 政府は、被災自治体が何をできないでいるのか、何を必要としているのかをしっかりと把握し、速やかに予算の執行につなげることが重要だ。

 予備費のほか、避難所運営や仮設住宅建設に充当する災害救助費等負担金573億円、住宅の被害に応じて被災者に支給する被災者生活再建支援金201億円などを計上している。

 被災住民の支援にはきめ細かな対応が求められる。ただ被災自治体では復旧作業や生活支援の全てに手が回らないとの現状もある。

 被災地には本県をはじめ、全国から自治体職員や民間のボランティアらが応援に入っている。復旧や生活支援を加速させるためには、それぞれの分野の専門のマンパワーが不可欠だ。

 同時に予算や事業、人材を動かす一元的な対応が重要になることは、東日本大震災の経験からも明らかだ。政府は被災地や応援の自治体、民間団体との連携や調整を密にし、復旧を本格軌道に乗せる必要がある。

 九州地方はこれから梅雨を迎える。長期化する避難生活では食中毒や感染症への注意が必要だ。雨が多くなれば、地震の揺れで弱くなった地盤が崩れる危険性も増してくる。被災地支援の手を緩めてはならない。