【5月15日付社説】食育大会まで1カ月 / 「理解」と「実践」広げる契機に

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 毎日を生き生きと過ごしていくためには、健全な食生活が欠かせない。「食育推進全国大会」の本県開催が1カ月後に迫った。正しい食生活の習慣や知識を身に付ける「食育」に理解を深め、実践する契機としたい。

 大会は、6月の「食育月間」の中核行事として毎年、全国持ち回りで開催されている。11回目の今回は、郡山市の「ビッグパレットふくしま」で6月11、12の両日に開かれる。北海道・東北地区での開催は初めてで、主催の農林水産省や県などは「健康長寿」の推進と、本県の復興が進む現状について「食」を通して全国に発信することを目的に据えている。

 大会では県医師会や県学校給食会など食育に関わる団体が、取り組みを発表したり意見を交換したりする。教育評論家の尾木直樹さんや俳優の辰巳琢郎さんも講演する。会場には食育団体や食品企業などが約130のブースを設け、活動紹介や試食品の提供を行う。

 全国から2~3万人の来場が見込まれる。本県ならではのヘルシーな郷土食や食材を紹介したい。

 食育は、体の基礎をつくる時期の子どもはもちろん、食生活の偏りがちな若者、運動不足が目立つ中高年、1人暮らしに多くみられる栄養不足の高齢者など、世代を超えた課題となっている。

 特に本県では、震災後から子どもたちの肥満傾向が顕著になっているほか、40歳以上を対象にした特定健診(2013年度)ではメタボリックシンドロームに該当した人の割合が全国で3番目に高かった。要因は、運動不足だけでなく、県民の野菜摂取量が全国平均を下回ることや、塩分摂取量が多いことなどが指摘されている。

 大会は県民がバランスの取れた食生活や、地元の食材に理解を深める絶好の機会だ。一人でも多くの県民が食育に関心を持ち、大会に参加したい。そのために主催者は周知に一層力を入れてほしい。

 また発表する各団体には、できるだけ専門用語を避けるなどして一般参加者にも分かりやすい内容になるよう工夫が求められる。

 会場では、県産品の放射性物質検査の状況も説明する。県内の農産物加工施設や酒蔵などを巡るツアーも行う。県外からの来場者に県産品の安全性をアピールし、風評の一掃につなげたい。

 大切なのは、大会を一過性のイベントのようなものにしないことだ。本県での開催を機に、食に関わる団体や企業、行政が連携と協力態勢を整え、県民運動として食育を推進するための基盤を強固なものにすることが重要だ。