【5月17日付社説】指定廃棄物処分/実現へリーダーシップ示せ

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 原発事故で発生した県内の指定廃棄物を、富岡町の管理型処分場で最終処分する計画を動かすために環境省は、地元への説明責任を果たすことが必要だ。

 ただ残念ながら、リーダー不在の説明続きでは、責任ある対応を取っているのかと、疑問が残る。

 環境省は処分場が立地する富岡町、処分場への搬入路がある楢葉町、県の3者と今月中にも安全協定を結び、準備工事に着手して早ければ年内にも処分場への搬入を始めたい考えだ。

 また、県と両町との協定とは別に、地元の行政区とも安全協定を結ぶ方針で、15日には楢葉町の二つの行政区の住民向け説明会を開催した。

 環境省の担当部長の説明に対し、住民から噴出したのが、国の対応への不満だ。計画自体への反対もあったが、住民が風評や安全対策への不安や疑問を投げ掛けても、環境省側から明確な回答がなく、説明は平行線をたどった。

 「大臣や副大臣が参加して住民の生の声を聞いてほしい」と、再度の説明会開催を求める声さえ出たほどだ。

 指定廃棄物を最終処分することは、除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の運用と並んで、原発事故からの復興に欠かせない。その必要性を地元に説明することは、もちろん国の責務だ。

 安全性への不安、風評への懸念を抱える住民の理解を求めるためにはなおさら、責任ある立場の、責任ある説明が必要になる。

 計画を巡っては、両町と県が昨年12月に受け入れを決めている。その後、環境省は両町などが求めた処分場の国有化手続きを済ませ、両町議会に今後の工程や安全協定案などの説明を行ってきた。

 この際、両町が環境省に求めたのが、住民への説明責任だ。それなのに、住民の理解を得るための調整は今後、難航しそうだ。

 住民の不信感を払拭(ふっしょく)し、現状を打開するためには、環境省トップの丸川珠代環境相のリーダーシップが問われると認識すべきだ。

 安全協定案には、国が安全確保の方針を策定することや防災体制の強化に努めること、県や両町が立ち入り検査で安全確保を確認することなどが盛り込まれている。

 地元住民や両町、学識経験者などで構成する環境安全委員会による監視や助言も認める内容だ。

 指定廃棄物は放射性物質の濃度が1キロ当たり8000ベクレル超10万ベクレル以下の汚泥や稲わらなどで管理が可能な濃度だ。計画を前に進めるためには国が安全を確保するという信頼を早急に得るべきだ。