【5月19日付社説】県産酒連続日本一/福島ブランド確かなものに

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 「4年連続日本一」という快挙は県産清酒、ひいては県全体のブランド力とイメージアップへ向けた大きな弾みになる。

 日本酒の蔵元が新酒の出来栄えを競う「全国新酒鑑評会」で、県内の蔵元が出品した18銘柄が金賞を獲得した。17銘柄が金賞を受賞した山形、兵庫両県はじめ他の酒どころを抑えての壮挙だ。

 民と官が協力し合い、品質の向上を目指した努力が実を結んだ。国内外に積極的にアピールして、「日本一の酒どころ」の地位を確かなものにしていきたい。

 県産清酒の快進撃は一朝一夕に成ったものではない。立役者の一つが県酒造組合の県清酒アカデミー職業能力開発校だ。酒造りの基礎を伝え、担い手を育成するために1992年に開校した。

 蔵元や県ハイテクプラザの技術者らが講師を務め、蔵元の後継者や従業員が、「門外不出」といわれた酒造りのノウハウを共有し、新しい研究成果を吸収している。

 有志による研究会も95年に発足した。各蔵元はライバル同士だが開発校や研究会で育まれた強い絆と、互いの切磋琢磨(せっさたくま)が、原発事故の風評に立ち向かい、復興への力を培う原動力となっている。こうした本県ならではの取り組みを一層充実させて、日本一の座を守ってもらいたい。

 県産清酒のさらなる躍進に向けては課題もある。今回の鑑評会に出品された酒の大半は、酒米として、関西など県外で生産されたブランド米「山田錦」を使っている。

 本県には独自の酒米「夢の香」があるが、大吟醸酒の醸造には向いていないといわれている。このため県は、蔵元の協力を得ながら新たな酒米の開発に取り組んでいる。「日本一の酒どころ」を揺るぎないものにし、福島ブランドを広めるためにも新たな酒米の開発を急がなければならない。

 朗報を受けて、内堀雅雄知事は「福島県の酒を国内外に広く発信していきたい」、新城猪之吉県酒造組合会長は「県産清酒がイメージリーダーとなり、福島県のイメージを濃くしていきたい」とそれぞれ抱負を述べている。連続日本一で県産清酒のファンは全国的に増えているが、浸透度合いは十分とは言えない。国内外への販路拡大と知名度向上に向けて、さらに工夫を凝らす必要がある。

 「ふくしまの酒蔵」は「第26回みんゆう県民大賞」のふるさと創生賞に選ばれ、あすの表彰式で芸術文化賞の野口勝宏さん、スポーツ賞の室屋義秀さんとともに受賞する。受賞者らのひたむきさと熱意を本県再生への糧にしたい。