【5月31日付社説】女性が輝く社会/地方創生実現への大きな力 

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 世界各国の男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」というものがある。指数が低いほど男女間の不平等の度合いが大きい。

 指数を順位付けすると、日本は145カ国中の101位(2015年)。低位なのは、教育や健康の水準で差はなく世界のトップクラスだが、経済や政治への参画状況で大きな差が出ているためだ。

 女性の能力が社会で生かされていない、女性に活躍の場が与えられていないということだ。

 元厚生労働事務次官の村木厚子さんは言う。「海外から『日本はもったいない国』といわれる。準備はできている。あとは活躍できるチャンスを与えればいい」

 その村木さんを講師に招き、きのう福島市で開かれた「女性が輝く社会づくり」シンポジウムは、女性が活躍できる社会の実現に向け、企業や官庁の取り組み、さらには男女の意識に何が求められるのかを示唆する内容になった。

 女性の社会参画の推進はいわれて久しい。後押しする法律や産休、育休などの制度もできた。能力も育まれてきた。ただ実際は、ジェンダー・ギャップ指数で見られるように進んでいない。

 女性の活躍を阻んでいるのは、やはり子育ての問題だ。働く女性にとっては「仕事と育児の両立が難しい」との現状が根強く残る。

 村木さんは基調講演で、長時間労働の働き方を変える必要性を挙げた。日本は労働時間が長い割には、時間当たりの労働生産性は先進7カ国中、最も低い。

 女性も同様なのが現状だ。育休が明けて女性が職場に戻っても育児や家事に割ける時間をつくれるよう柔軟な働き方が求められる。

 働き方は女性だけの問題ではない。夫婦の間で男性の家事や育児の時間が長いほど、女性が仕事を辞めずに、しかも2人目の出生も増えるという。

 いまや資本や生産性の向上が経済成長を支えた時代から、労働の質の向上が成長を導く時代に移っているとのデータもある。

 男性中心の働き方を変えなければならない時代ともいえよう。官民を挙げて、女性が持つしなやかな思考力と潜在能力を生かす働き方を模索したい。

 村木さんが講演で働き方の変化に保育の充実が加われば、少子化の進行も変わると指摘したのは、地方創生のヒントになるはずだ。

 女性が活躍できる社会づくりがなぜ必要なのか。人口減少時代を乗り切り、持続的な成長に不可欠だからだ。

 女性の活躍は当たり前。そんな社会を一日も早く実現させたい。