【6月1日付社説】消防団の活性化/共助の要固め防災力向上を

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 東日本大震災や熊本地震など災害が相次ぐ中、地域の防災や防火を担う消防団の役割は重要性を増している。消防団の活性化を図り、地域の防災力向上につなげたい。

 消防団は、消防組織法により市町村に設置が義務付けられている。地元の事情に精通し、火災や災害発生時にきめ細かい対応ができるのが強みだ。過去の震災や水害では、消防団員が独り暮らしのお年寄りなど災害弱者の所在を把握していたため、犠牲者が出るのを食い止められた例もある。

 火災の場合はいち早く現場に駆け付けて消火に当たるなど地域にとってなくてはならない存在だ。

 ただ団員数は、減少傾向にある。県によると、県内の団員数は1954年の約5万8000人がピークで、昨年は約3万4000人。高齢化も進み、平均年齢は75年に31.4歳だったのが、昨年は38歳だ。かつて団員は自営業者や農家が中心だったが、今や県内団員の8割弱をサラリーマンが占めており、昼間の出動が困難な団員もいる。

 消防団の機能を維持、向上するには、若者たちが入団しやすい環境づくりや、団員確保のための効果的な対策が必要だ。

 県や各市町村は、消防団の活動を紹介する出前講座を高校で行ったり、企業に対して社員が消防団活動をしやすい職場環境づくりを要請したりしている。これらの活動をより強化し、消防団への理解を広げていくことが大切だ。

 火災対応や防災活動だけではなく、地元のお祭りなど行事運営にも消防団が欠かせない地域もある。団員を地域づくりの担い手としても捉え、育てていきたい。

 全ての活動に参加する通常団員の確保が基本だが、活動地域や時間、役目を限定して活動する「機能別団員」や、大規模災害などに活動を特化した「機能別分団」を設置できる制度もある。戦力確保策の一つとして活用したい。

 災害発生に備え、地域全体の防災力をさらに高めていくことも必要だ。それには消防団と自主防災組織との連携強化が欠かせない。

 自主防災組織は町内会などの単位で結成されており、県内では約89%の世帯が加入している。災害時には住民の避難誘導などに当たる。平時から消防団と自主防災組織が合同訓練などを通し、緊密な連携態勢をつくることが大切だ。

 11日には伊達市で県消防大会が開かれる。自治体による「公助」と、住民の「自助」の間に、地域の「共助」があり、消防団は共助の要だ。自分たちの地域は自分たちで守る―という地域防災の土台をより強固にする契機としたい。