【6月3日付社説】7.10参院選へ/未来を決める分岐点となる

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 政府が「6月22日公示―7月10日投開票」の参院選日程を閣議決定し、与野党は参院選に向けて臨戦態勢に入った。

 安倍晋三首相が表明した消費税増税の再延期や、社会保障政策、地方創生、東日本大震災と熊本地震への対応などが争点となる。

 いずれも日本の未来を左右する重要な課題だ。その行方を決めるのは有権者の1票であり、一人一人が選挙の当事者であることをいま一度認識したい。

 安倍首相は「自民、公明両党で過半数」を参院選の目標に掲げており、達成できれば、来年4月に予定していた消費税率の引き上げを2年半再延期するという判断が、国民の理解を得られたと主張することになる。

 消費税増税の再延期は野党側も求めていたが、「アベノミクスの失敗」をその理由としており、否決されたものの内閣不信任案も提出した。再延期の前提となる経済低迷が、金融緩和、財政出動、成長戦略を柱とするアベノミクスの失敗によるものなのか、それとも安倍首相が強調するように世界経済の不安定化によるものなのかが争われることになる。

 また、増税による税収が充てられることになっていた社会保障の充実策がどうなるかも問われなければならない。

 安倍政権は地方創生に向けて本年度予算で総額1000億円の交付金を創設、自治体の地域活性化の取り組みを支援する態勢を整えた。しかし国が「先駆的」と認めた事業にお金を配る仕組みに対して、野党側は「地方の自主性が尊重されない」などと批判しており、制度の在り方も争点となりそうだ。

 東日本大震災では本県の9万人余をはじめ16万人がなお避難生活を送り、住まいと生業の再建は道半ばだ。熊本地震への対応を含めて復興の加速化が焦点となる。

 民進、共産両党など野党は一連の安全保障法制廃止を訴えている。変化する安保環境に日本はどう対応し、安全を確保するか。大局に立った論争が求められる。

 憲法改正を巡っては国会発議に必要な定数の3分の2以上の議席を改憲勢力が確保するかも焦点。衆院では自民、公明両党が既に3分の2超の議席を占めている。

 今回の参院選は、選挙権年齢を引き下げる改正公選法を受けて、18、19歳が初めて投票する歴史的な選挙でもある。

 若年層は投票率の低さが指摘されるが、どの争点も自らの将来や子どもの世代に直接的に関わる問題であることを自覚し、各党の主張を見極めてほしい。