【6月9日付社説】食育推進全国大会/「食の復興」発信する機会に

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 健全な食生活の習慣や知識を身に付ける「食育」を通して、県産食品の安全性やおいしさへの正しい理解が全国に広がっていく。そのきっかけになる大会にしたい。

 「食育推進全国大会」がいよいよ11、12の両日、郡山市のビッグパレットふくしまで開かれる。東北では初めての開催で、食育に関わる団体や企業、学校、行政機関の関係者をはじめ、食育に関心を持つ一般消費者らを含めた3万人近くが県内外から参加する見通しだ。

 県産の農林水産物の厳格な放射性物質検査の実施態勢をはじめ、規制されていない食材では、検査をしてもほとんど食品基準値を超えていない現状を知ってもらう絶好の機会だ。

 そのため大会では、食品と放射性物質について解説する講演会や、放射性物質検査の過程を紹介するパネル展示などを行う。

 震災と原発事故から5年を過ぎてもなお、県産食品に対する風評は拭えていない。除染や、農産物に放射性物質を取り入れない技術の開発など、これまでの食の安全確保への取り組みを積極的に紹介し、「食の復興」をアピールしたい。

 県内の酒蔵が全国新酒鑑評会で4年連続の金賞受賞数日本一を達成したり、漁業の試験操業が拡大したことなど、本県の食を巡る話題も多い。

 大会では関連イベントとして県内4コースでバスツアーを行い、会津の酒蔵やいわき市漁協などを訪ねる。生産者は、安全でおいしい食品を届けるための努力を重ねている。ツアー参加者と生産者が交流を深めることが、県産食品のファン拡大につながるはずだ。

 文部科学省の「スーパー食育スクール」の指定を受け、食育に取り組んでいる学校も活動報告を行う。学校給食での県産食材の活用率は震災直後は18.3%と震災前から半減したが、昨年度は27.3%まで回復している。

 学校給食で徹底した食材の放射性物質検査を行うなど、子どもたちの食の安全確保に向けた取り組みを広く紹介し、県産食品への信頼と安心感につなげていきたい。

 展示会場では、奥会津の郷土料理「しんごろう」や、郡山市のコイ料理、川俣シャモなど県内各地の特産品の提供や、旬の野菜の直売を行う。多くの人に本県の豊かな食を味わってもらうことも、風評払拭(ふっしょく)には欠かせない。

 県内外からの参加者らが積極的に意見を交換し、交流を図ることで、本県から食育推進の機運をさらに盛り上げていきたい。