【6月15日付社説】参院選 公示まで1週間/徹底論戦で現実的な道筋を

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 参院選は公示まで1週間に迫った。1人区になる福島選挙区は戦いの構図が固まり、陣営は事実上の選挙戦に走りだしている。

 県選出の貴重な1議席だ。陣営には今回の選挙で問われる論点を整理し、有権者が主体的に選挙に参加するための判断材料を示して選挙に臨む必要がある。

 福島選挙区に立候補を予定しているのは、自民党と民進党の現職各1人と諸派新人1人の3人。

 自民党の現職岩城光英氏と民進党の現職増子輝彦氏は6年前の選挙で2議席を分け合ったが、改選議席が1に減る今回はお互いに当落を懸けた熾烈(しれつ)な選挙戦に入る。

 法相の岩城氏は4期目、元経済産業副大臣の増子氏は3期目を狙う。自公政権の閣僚候補と、野党共闘の統一候補が戦う構図だ。

 与野党激突という構図自体は明瞭といえる。アベノミクスの成否などが舌戦の焦点になるが、求められるのは論戦の中身だ。

 例えば、来年4月の消費税増税を再延期した間の社会保障財源をどうするかという論点が挙げられよう。自民党は2年半延期し「赤字国債に頼らずに安定財源を確保する」とし、民進党は2年延期し「行政改革を徹底して財源を捻出する」としている。

 主張の違いがよく分からないというのが正直なところだろう。それは、財源の確保や捻出の具体的な方策が示されていないからだ。

 似たようなことが、とりわけ本県で求められる震災と原発事故からの復興の在り方にもいえる。

 震災・原発事故の復興政策は、民進党の前身だった民主党政権から自公政権が受け継いだものだ。

 この間の国政選挙で、復興を加速させるという主張は、与野党双方とも共通している。ただ、現状をみる限り、本県では9万人が避難生活を送ったままで、住まいやなりわいの再建は道半ばだ。

 原発事故に伴う避難区域では、来年3月にかけて政府の避難指示解除の動きが集中する。若い世代の帰還を含め、解除後の地域をどう再生していくかといった課題が地元に立ちはだかる。

 選挙戦では、これからの復興の課題や政策を点検し、現実的な道筋を示すことが論戦の重要なテーマになると認識すべきだ。

 国政選挙で初めて導入される18歳選挙権の意義も重く受け止めなければならない。若者が将来に展望を持てるような政策論争を高めてもらいたい。

 対抗軸が明確な政策にとどまらず、与野党が共に知恵を出さなければならない政策課題こそ、論戦を深める必要がある。