【6月16日付社説】舛添都知事辞職/曖昧な幕引きは許されない

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 東京都の舛添要一知事が政治資金流用問題などによる都政混乱の責任を取り、都議会議長に辞職願を提出、都議会も同意した。

 これで首都のトップを巡る混乱は収拾に向かい、関心は7月末か8月初めに行われるとみられる知事選に移ることになる。しかし、ほとんど解明されていない流用問題を曖昧なままにしてはなるまい。舛添氏は辞職しても、しっかりと説明責任を果たすべきだ。

 舛添氏は、与党の自民党から再三にわたり辞職を促されても応じず続投に強い意欲を見せていた。

 しかし、自らに対する不信任決議案が本会議に上程され、全会一致で可決されることが避けられない見通しとなったのを受けて、自ら辞職する道を選んだ。

 高額な海外出張費や公用車での別荘通いで批判を浴び、正月休みの家族旅行でホテル代を政治資金から支出するなどの「公私混同」が次々に追及された。

 舛添氏は元特捜検事の弁護士による「第三者調査」の結果を公表して、「包み隠さず申し上げたい」と都議会総務委員会の集中審議に臨んだが、誰もが納得するような説明はできなかった。

 辞職を求める声が高まる中、舛添氏は「選挙と8月のリオデジャネイロ五輪が重なり、混乱することは公益にそぐわない」とし、議会運営委員会理事会で「東京の名誉を守ってもらいたい」と"延命"を訴えた。最大の後ろ盾だった自民からも不信任案を突き付けられ、ようやく辞職を決断したが、遅きに失したと言わざるを得ない。

 都議会自民党は2年前の知事選で、公明党とともに舛添氏を支援した経緯もあって、問題が発覚した当初から追及の矛先は鈍かった。特に進退の判断を迫ることには慎重だった。

 知事を辞めさせたとしても、4年後の選挙が東京五輪の開催時期に重なる上、代わりの候補者探しが難しいとの事情もあったとされる。それが舛添氏に延命の期待を抱かせる一因になっただろう。

 ところが、議会側が「ラス卜チャンス」と位置付けた集中審議で、舛添氏はあやふやな説明に終始。厳しさを増す批判が夏の参院選に飛び火するのを恐れた自民党内に「かばいきれない」という空気が急速に広がった。

 辞職という結末になったが調べたり確認したりしなければならないことはまだまだ多い。前任の猪瀬直樹氏に続いて舛添氏も「政治とカネ」の問題で退場に追い込まれ政治不信は一層深まるだろう。いま求められているのは、徹底解明を再発防止につなげることだ。