【6月19日付社説】「18歳選挙権」施行/日本の政治変える契機に

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 新たに選挙権を得る18、19歳の力を政治を変える契機にしたい。

 選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法が施行された。1年の周知期間を経て、施行後初の国政選挙の参院選(22日公示―7月10日投票)から適用される。

 選挙権年齢の引き下げは、1945(昭和20)年に「25歳以上」から「20歳以上」に引き下げられて以来だ。全国の18、19歳の未成年者約240万人が有権者に加わる。県内では約3万8000人。ぜひ権利を行使してほしい。

 若い世代の投票率は各種選挙で低迷が続いている。2013年7月の参院選福島選挙区の20代の投票率は30%前後と低く、70%前後の60~70代に比べ半分以下。新しい有権者の投票行動が20代の政治参加を刺激し、若年層の投票率向上につながることを期待したい。

 高齢化が急速に進む中で、有権者の選択を受ける政治家は、人口が多く投票率の高い高齢者層に目を向ける傾向がある。このため政策も若者、子育て世代よりも高齢者に手厚くなりがちだ。16年度政府予算をみると、社会保障の充実に充てた1兆5200億円のうち、子どもや子育てを支援する事業費は5500億円にとどまる。高齢者関連の医療や介護、年金の充実には1兆円弱が配分された。

 子どもにかける予算も、日本は対GDP比約1%と、先進国で最低レベル。子育て支援に力を入れるフランスやスウェーデンの3分の1ほどで見劣りする。高齢者の政治的影響力が強い「シルバー民主主義」と指摘されるゆえんだ。

 選挙での1票は若者の声を政治に反映させる重要な手段だ。共同通信社の世論調査では、政治に影響を「与えることができる」と答えた18、19歳が59%に上った。しかし41%は「できない」と考えている。若者の意欲に応え、否定的な若者を投票に導くため、行政には投票環境を整える責任がある。

 県選管によると、参院選で県内では、選挙権年齢の引き下げを受け、福島市が福島大、三春町が田村高に期日前投票所を設けた。ただ208投票所のうち学校関連施設への設置は2カ所にすぎない。

 改正公選法では参院選から、投票日にも駅やショッピングセンターなどに「共通投票所」を設置できるようにした。共通投票所は同じ市町村内なら誰でも投票でき、有権者の利便性が高まるという。

 二重投票防止などで各投票所をネットワークで結ぶ必要があり、今回、県内で設置する市町村はない。投票機会を拡大することは、政策の世代間格差の解消にもつながる。導入を進めたい。