【6月21日付社説】東京回廊/周遊効果をフルに生かそう

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 年間1000万人を超す外国人旅行者が訪れる首都・東京から旅行者の流れを県内に呼び込みたい。

 国土交通省は、地方の観光名所をパッケージで訪日客に売り込む「広域観光周遊ルート」として、本県を含む「東京回廊(仮称)」など4ルートを新たに認定した。

 東京回廊は、東京、茨城、栃木、埼玉、千葉、神奈川、山梨、群馬の関東8都県に、本県と新潟、長野両県を加えた11都県を観光エリアとする広域観光周遊ルート。

 東京都心に集中している外国人観光客を、周辺各県とその隣接県に分散化させる狙いがある。ルート形成計画期間は東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年度までの5年間で、五輪の集客効果を最大限に広げたい考えだ。

 計画を成功させるためには、東京が持つ世界的な認知度を生かしながら、隣接県の豊かな自然や温泉、歴史、祭りなど、さまざまな観光資源を積極的にアピールしていくことがまず重要となる。

 東京回廊で本県は、県全域が広域観光促進地域となるが、中でも「会津・相馬」と、いわき市と茨城県を範囲とする「北臨海部」は、広域観光拠点地区として位置付けられたのが特徴だ。

 東京、日光、水戸、新潟など各地から周遊して訪れる観光客を、本県がどう受け止めて、どうもてなすか。周遊ルート内での本県の立ち位置を十分に踏まえた上で、きめの細かいルート設定や観光資源の磨き上げが必要だ。

 本県の場合、原発事故の風評が残る一方で、観光地としてのイメージが希薄であることが観光関係者から指摘される。それらの声も参考にして、本県が訪日客の訪問地として積極的に選ばれるような魅力ある旅の内容を煮詰め、提案していかなければならない。

 外国人観光客の誘客に際して、東京回廊が持つ大きな特徴は、訪日客の多くが利用する成田・羽田両国際空港に加えて、福島、新潟、茨城の各空港があるという点だ。高速道路や新幹線などの交通基盤も整っている。

 福島空港は現在、国際線の定期便が休止したままだが、国際チャーター便の運航を働き掛け、福島空港を周遊ルートの起点・終点にしてもらうなどして空港の活性化を図り、定期便再開への実績づくりにも生かしていきたい。

 本県は昨年、広域観光周遊ルート第1弾として認定された「日本の奥の院・東北探訪ルート」でも会津地域が拠点地区になっている。東京回廊と合わせて相乗効果が上がるよう関係者が連携・協力し合い観光復興を加速させたい。