【6月23日付社説】舌戦スタート 参院選/訴えをじっくり吟味しよう 

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 選挙の「争点」は与野党が決めるものではない。有権者一人一人が何を重視して選択するかが選挙の行方を決定することになる。

 参院選が公示された。7月10日の投開票に向けて、選挙区225人、比例代表164人の計389人が立候補を届け出た。福島選挙区には現職2人と新人1人の計3人が出馬、一つになった議席を争う。各党、候補者の訴えをじっくり吟味し、判断したい。

 課題は多岐にわたる。アベノミクスの評価、社会保障、環太平洋連携協定(TPP)などは生活に直結する課題だ。憲法改正も国の在り方の根本に関わる。本県では東日本大震災と原発事故からの復興策が大きな論点でもある。「自民1強体制」とされる安倍晋三政権の在り方も問われるだろう。

 公示日のきのう、県内入りした安倍首相(自民党総裁)は雇用環境の改善などアベノミクスの成果を挙げ、さらに推進していく考えを示した。これに対して民進党の岡田克也代表は甲府市での第一声で「アべノミクスは既に限界にぶち当たっている」と主張した。

 確かにアベノミクスによる大胆な金融緩和などで円安・株高が進み、大企業の業績は好転した。しかし約3年半を経て一般市民の生活や地方経済は良くなったのか。

 一方、民進党は「分配と成長の両立」を掲げ、中低所得層への再分配政策が成長につながると主張する。与野党の経済政策の是非を有権者が判断できるよう論戦を深めていかなければならない。

 年金や子育て支援などの社会保障政策も将来の不安を解消するための重要な課題だ。消費税増税を財源に予定していた社会保障の充実策をどうするのか。財源も含めて与野党の主張は対立する。

 TPPは、与党が通常国会での承認を見送ったため、議論が中途半端になり、先行きには不安が残ったままだ。各党は農政を中心に具体的な政策を明示すべきだ。

 参院選は政権選択の選挙ではない。しかし今回は首相が増税を再延期する「新しい判断」について「国民の信を問う」と表明、与党で改選議席の過半数獲得を目標に設定した。結果次第では首相の責任論が浮上する可能性もある。

 岡田代表は与党の改選過半数阻止を目標にする。ただ野党側も「野合」と批判される共闘に、有権者の理解を得る説明が求められる。

 公選法の改正を受けて、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、18、19歳が新たに有権者に加わる。各党が将来世代に向けて、どのような政策を訴えているかについても耳を傾けたい。