【6月30日付社説】ふくしまDC閉幕/新たな魅力創出の出発点に

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 きょうの日を終着点ではなく、出発点として捉え、「観光立県」としての復興を加速させたい。

 昨年4~6月の「本番」をはさみ、一昨年の「プレ」と今年の「アフター」を合わせて、足かけ3年にわたり行われてきた大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」がきょう幕を閉じる。

 DCは、県と市町村、観光団体がJRと連携して、「福が満開、福のしま。」をキャッチコピーに、各地で咲き誇る花々や130を超す温泉地、豊かでおいしい食など、本県が持っている数々の観光資源をアピールしてきた。

 今後は、DC期間中に得た経験と蓄積を糧にして、観光素材やもてなしにさらなる磨きを掛けていくことが大切だ。

 旅行サイトでの温泉関係の上位ランキング入りが相次いでいる。温泉地満足度(秘湯部門)や人気温泉宿で全国1位になったのをはじめ、美肌の温泉地、プールが人気の宿、ゴルフができる宿など、多くの分野で続々とベスト10入りを果たしている。

 ランキングの上位入りは、温泉地や旅館・ホテルが、泉質や施設の特徴を生かしたり、より上質な接客に努めたことに加え、DCがそれを後押しした成果といえるだろう。「高評価」の輪が、他の温泉地や旅館・ホテルに加速度的に広がるよう期待したい。

 日本酒の蔵元が新酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会で、本県は金賞受賞数が連続して日本一に輝いている。今年はアフターDC期間をまたぐ周遊企画として「酒蔵巡りスタンプラリー」が11月まで行われているが、準備した20万冊の台紙が少なくなり、10万冊を増刷するほど好評だという。誘客につながる素材を掘り起こし、新たな魅力を生み出していくことが今後も求められる。

 新興国経済の減速など懸念材料はあるが、今年上半期の訪日外国人は既に1000万人を超えた。本県としても外国人旅行者の誘客に力を入れなければならない。

 今春、仙台市で行われた東北観光活性化シンポジウムで内堀雅雄知事は「外国人の感覚に合わせたPRが必要だ」と述べている。施設などハード面だけでなくソフト面を含めて、観光客の視点に立った接客や受け入れ態勢の整備を急がなければならない。

 DCに合わせて県が募った「福が満開おもてなし隊」に登録した県民は1509団体、16万813人に達した。DCは終わるが、県民全員がおもてなし隊になった気持ちで観光客を迎えていきたい。