【7月3日付社説】参院選 地方創生/人口減直視し克服策を競え

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 急速に進む少子高齢化と人口減少は喫緊の課題だ。しかし参院選では「地方創生」に向けた論戦が深まっていない。投票まで1週間。各党、候補者には克服策について論を競ってもらいたい。

 2015年国勢調査の速報によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が、全ての都道府県で15歳未満の割合を初めて上回るなど少子高齢化が一段と鮮明になった。本県では、65歳以上が29.1%と過去最高の水準となった。15歳未満は11.3%と低下、減少率は全国で最高だ。

 一方で、東京一極集中も止まらない。東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の人口は約3613万人で、前回10年の調査から約51万人増加した。

 一極集中の是正につながるよう政府関係機関や企業の本社機能の地方移転などを早急に具現化し、地方からの人口流出にブレーキをかける必要がある。

 地方創生を巡り各党は参院選で、政府関係機関の地方移転(自民、公明)や関連財源の確保(自民、民進)などの公約を示している。

 しかし全国知事会は、これらの公約について一定の評価を示しながらも、子どもの医療費助成の国民健康保険の国庫負担減額措置や地方の人口流出防止に触れていないなどの不備を指摘している。

 県の推計では、人口減少対策を講じずに現状のまま推移すれば、24年後の2040年には147万人にまで急減する見込みだ。県は首都圏に流出した若者を呼び戻すことを主眼に総合戦略をまとめ、企業誘致などによる雇用の創出や結婚、出産、子育ての支援などに取り組んでいく考えだ。

 政府は、地方に配分する交付金を15年度補正、16年度当初の各予算で設け、総額2000億円を充てた。しかし県が総合戦略で取り組む本年度の重点事業だけでも300億円が必要。地方創生に特化した財源が確保されているとは言えないというのが地方の声だ。

 地方創生の成否は財源の確保のほかにも、税制の優遇措置など国の規制緩和が進むかどうかが鍵を握る。選挙戦は、地方の課題を把握する場でもある。各党は地方の意見や要望に耳を傾け、国政に反映させていかなければならない。

 「福島の地方創生は復興そのもの」。内堀雅雄知事は地方創生の重要性をそう表現する。震災と原発事故からの復興策は今後、避難者が古里に帰還するための環境整備が軸になり、県の総合戦略と多くの部分が重なる。復興を加速させるためにも地方創生についての議論を埋もれさせてはならない。