【7月6日付社説】国史跡に白川城跡/歴史と文化のまちに弾みを

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 国の文化審議会が白河市の「白川城跡」を国の史跡にするよう文部科学相に答申した。

 白川城跡が国の史跡に仲間入りすることで、JR白河駅から約3キロの範囲内には、東日本大震災で崩れた石垣の復旧が進む「小峰城跡」と、日本最古の公園とされる「南湖公園」を合わせて三つの史跡が集中することになる。

 白河市は「みちのくの玄関口」という立地にあるため、古くから要衝として位置付けられ、関連する遺跡や遺構が多い。このため市は歴史と文化の視点をまちづくりに取り入れている。白川城跡の国史跡指定をこうしたまちづくりの弾みにしてもらいたい。

 白川城跡は、白河駅から東南方向約3キロの丘陵地に造られた山城だ。鎌倉時代から戦国時代にかけて、現在の白河市などを治めた白河結城氏が拠点とした居城跡だ。小峰城は同氏の子孫が拠点として築いた。

 白河市は、かぎ形の街路など城下町特有の町並み、祭り、伝統行事などで市の魅力向上を目指している。「歴史まちづくり法」に基づいて重点区域を設けた。城下町の風情を残す建造物を指定して修復したり、電線を地中化したりするなどの整備を進めている。

 県文化財課によると、複数の国史跡が指定されている市町村は県内にもあるが、近接して有しているのが白河市の特徴だ。この特徴を十分に生かし切ることで、市の魅力を高め、地方創生につなげることが重要だ。

 白河市も県内の他の市町村と同じように、中心市街地の空洞化対策が課題だ。市は空き店舗を活用し、新たな商店を誘致するなどして城下町としての景観を復活させて、まちなかに人を呼び込みたい考えだ。

 観光客らによる交流人口の増加だけでなく、市内外からの移住者も市街地に誘導して、中心部の定住人口の拡大にもつなげる方針で、高齢者も暮らしやすいまちへの再生が目標だ。

 同市はさらに、小峰城跡がある「中心市街地」、市民の憩いの場所でもある「南湖公園」、大型店が集積する「新白河駅周辺」の3地区を連動させた利便性の高い都市づくりを目指している。

 性質が異なる3地区を連携させる取り組みを成功させ、地域再生のモデルケースにしてほしい。