【7月7日付社説】女性活躍社会 参院選/実現へ本気度を見極めたい

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 「日本の女性は健康で教育のレベルも高い。でも、その女性が政治でも職場でも活躍できていない。だから海外ではよく『日本はもったいない国』だと言われる」

 福島市で5月に開かれた「女性が輝く社会づくり」シンポジウムでの村木厚子さん(元厚生労働事務次官)の言葉を思い出す。

 人口減少時代を乗り切り、持続的な成長をするためには女性の活躍が欠かせない。だから参院選でもほとんどの政党が「女性の活躍」を掲げる。しかし実現には大きな「壁」が立ちはだかっている。

 女性が持てる力を存分に発揮して、日本が「もったいない国」を返上するために、どのような手を打っていくのか。各党は政策とともにその道筋や財源を有権者に詳しく説明するべきだ。

 4月から「女性活躍推進法」が全面施行された。今年は「男女雇用機会均等法」が施行されてから30年の節目でもある。この30年間で育児に関する法整備などは進んだが、いまでも結婚や出産を機に離職する女性は多い。

 2015年国勢調査をみると、働く女性の割合はわずかに増えたものの、子育て世代は依然低調だ。アルファベットのMのように子育て世代の部分が落ち込む「M字カーブ」の形が特徴的だ。

 仕事か、子育てかの二者択一を迫られる状況は少子化の要因にもなっている。政府は「1億総活躍プラン」で、待機児童の解消などに力を入れるが、子育て世代の女性の多くは、子どもを保育所に入れるための「保活」や「求職」の板挟みに遭っている。

 育児で一度離職した女性の復職支援や、長時間労働の是正、待機児童対策は、それぞれ単体では進みにくい。それらはまるで絡み合う糸のようでもある。複合的な対策を講じてその糸をほどき、仕事と子育てが両立できる環境を整えなければならない。

 もちろん男性の働き方の改善や企業の意識改革が伴わなければ、環境整備の実現は容易ではない。子育て支援を応援する立場の夫が、自分の子育てに全く参加できないようでは困るからだ。政治は制度改革とともに、その後押しをする必要がある。

 参院選では、多くの政党が「同一労働同一賃金」など雇用条件の改善を掲げている。いずれも重要な政策だが、実現は容易でないものが多い。各党には改善に向けた大きな見取り図を示し、選挙戦で議論を深めるよう求めたい。

 有権者は女性活躍社会の実現へ各党の政策をきめ細かく点検して本気度を見極め投票に臨みたい。