【7月9日付社説】あす投票 参院選/論戦尽くし有権者の審判を

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 候補者や政党は政見、政策の訴えを尽くしたと胸を張ることができるだろうか。舌戦はあと1日。最後まで論を競ってもらいたい。

 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて初めての選挙となる参院選はあす投開票を迎える。

 選挙戦では、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の是非などについて論戦が繰り広げられてきた。首相は、雇用環境の改善や税収の増加などの成果を挙げ、さらに推進する考えを示す。民進党の岡田克也代表は「アベノミクスは限界にきている」と批判し、経済政策の転換を主張している。

 アベノミクスによる大胆な金融緩和などで円安が進み、株価が上昇して企業の業績は好転した。しかし英国の欧州連合(EU)からの離脱決定を受けて日本経済の先行きが不透明感を強める中、市民の生活や地方経済は改善していくのか。各党には選挙戦で実効性のある処方箋を示すことができたのかどうか問いたい。

 今回の参院選で問われるべき課題は経済政策だけではない。子育て支援や介護、年金といった社会保障など、生活に直結する重要課題がたくさんある。各党はそれぞれ掲げる政策についてより具体的に説明してもらいたい。

 安倍政権下での憲法改正に前向きな「改憲勢力」が参院で3分の2以上の議席を確保できるかどうかも注目されている。

 共同通信社などの世論調査によれば、自民党を中心とする改憲勢力は非改選と合わせて、改正の国会発議に必要な3分の2(162)をうかがう情勢だ。

 安倍首相は勝敗ラインに設定した与党による改選定数の過半数(61)の獲得に全力を挙げている。その阻止を狙う民進、共産など野党4党は32の改選1人区で統一候補を立てて、共闘体制を強めている。

 その与野党激戦の舞台の一つが福島選挙区だ。改選1議席を巡って、自公政権の閣僚と、野党共闘の統一候補の現職2人が総力戦を展開してきた。党首クラスの来県も相次ぎ、互いに「復興を前進させる」と訴えている。

 各党は本県の復興を「国の責任」だと強調する。本年度から5年間の「復興・創生期間」の復興事業費は総額6兆5000億円が確保されたが、配分は毎年度の国との調整で決まり、固まっていない状況だ。

 震災と原発事故から6年目に入って、地域によって復興の進み具合に差が生じ、風評が根強く残る一方で風化が懸念されている。各党には復興加速への決意と覚悟をあらためて聞きたい。