【7月14日付社説】18歳選挙権/関心を高める努力続けたい

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 総務省の全国抽出調査によると、今回の参院選で初めて有権者となった18、19歳の投票率は45.45%だった。全体の投票率54.70%よりも約9ポイント低く、新たな有権者のうち投票に行った人が半数にも届かなかったのは残念だ。

 ただ過去の選挙では若年層の低投票率が目立ち、2013年参院選では20代の投票率は33.37%だった。今回の10代の投票率はかなり高かったとみることもできる。

 昨年6月に選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法が成立して以降、高校などで政治や選挙の仕組みを教える授業や模擬投票などの主権者教育の取り組みが行われてきた。一定の成果があったということだろう。

 しかし、若者の政治参加に取り組んできた人々には、初めての選挙となった今回だけ注目を集める「18歳選挙権バブル」に終わることを懸念する声も出ている。

 未来を担うのは今の若い人たちだ。若者が政治への関心を高め、投票に参加するよう地道な取り組みを続けたい。政党側も若者に向けた政策の提示を進めるべきだ。

 課題をいくつか指摘したい。一つは同じ10代といっても環境はそれぞれ異なることだ。投票の働き掛けでも個別事情に応じた丁寧な対応が求められる。

 年齢別に見ると、18歳は51.17%だったのに対し、19歳は39.66%と低かった。18歳には高校生もおり、授業で選挙のことを学ぶ機会もあっただろう。親と同居している人は選挙に関心が向きやすかったとも思われる。

 一方、19歳には就職や進学で実家を離れて暮らす人も多いだろう。不在者投票や期日前投票などの仕組みを周知する必要がある。

 主権者教育の在り方も課題だ。政府は高校生向けの副教材と教員向けの指導資料を配布、選挙管理委員会も支援した。ただ指導資料には「学校の政治的中立性を確保」などの文言がちりばめられている。何をもって「中立」とするかは曖昧で、現場で教員が悩む場面もあったと聞いた。今回の選挙を契機に、改めて課題を整理し、今後の主権者教育に臨みたい。

 主権者教育とは、選挙権を得た人に急いで選挙の仕組みなどを教えるものではないはずだ。幼少の頃から判断力を養えるよう教育の在り方の見直しを進めるべきだ。

 政党側にも要望したい。参院選で与野党は若い世代向けの公約を掲げたり、イベントを開いた。しかし選挙遊説では若者に語り掛けるメッセージは少なかったように思う。各党は若者を意識した政治にも正面から取り組んでほしい。