【7月23日付社説】県職員の不祥事/復興へ職責の重さ再認識を

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 県職員や教職員による不祥事が止まらない。県は危機感を持って再発防止に取り組み、県民の信頼回復に努めなければならない。

 県によると、本年度はこれまでに4人が警察に逮捕され、1人が任意で事情を聴かれた。逮捕者は昨年度1年間の2人をすでに上回る異常事態である。

 逮捕者のうちの2人と、事情を聴かれた1人は7月に入ってからの事案で、さらに21日には福島医大の医師が任意で事情を聴かれていたことが分かった。同大は現在、公立大学法人だが、事務職員の半数程度が県から派遣されている。

 職員らの行為は、盗撮とのぞき目的の建造物・住居侵入の疑い2件、盗撮容疑2件、酒気帯び運転と公然わいせつの疑いが各1件。いずれも法令違反はもちろん、社会人としての資質が問われる行為であることを強く認識すべきだ。

 県は東日本大震災と原発事故以降、復興事業に伴う業務量の増大に対応するため、職員の採用数を大幅に増やしているほか、他県からも職員の派遣を受けるなどしており、職員を取り巻く環境は震災前に比べて大きく変化している。

 内堀雅雄知事は記者会見で相次ぐ不祥事について、「特殊な状況にあるのは事実だが、直接の因果関係にあるかどうかは分からない」とし、「組織に何か足りないものがあるということを見極める必要がある」と述べている。

 震災と原発事故の発生後、県職員らは本県の復旧と復興のために全力を注いできた。しかし震災から5年がすぎて、少しでも気が緩んでいるようなことはないか。

 震災から10年間の復興期間は、本年度から後半に入り、「復興・創生期間」としてスタートしている。復興の加速が必要だ。不祥事を起こすのは職員のごく一部ではあるが、いま一度、職員一人一人が職責の重さをかみしめて業務にまい進してもらいたい。

 不祥事を踏まえ、県は知事部局の約6000人、県教委は教職員約1万9000人、福島医大も教職員約3400人を対象に個別面談を行うことを決めた。面談では、職員の悩みなどの相談に応じながら、不祥事が起きる背景や抑止策などについて話し合い、危機意識の共有と原因の究明につなげる方針だ。

 さらに、法令順守の意識を徹底するための職員研修を行うほか、他県での実施例を参考に新たな対策も導入するという。
 相次ぐ不祥事に歯止めをかけるために何が必要なのか。業務分担や職員の配置など組織的な検証も合わせて行い、実効性のある再発防止策を講じることが肝要だ。