【7月26日付社説】地域金融機関の役割/ 創生へ着実に企業後押しを

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 県内の地方銀行や信用金庫などが地方創生に向け、創業や事業再生などの企業支援に力を入れている。地域経済の活性化につながる企業の成長支援を着実に後押ししたい。

 東邦銀行は、県内企業の成長支援策をまとめた「ふるさと総活躍応援プロジェクト」を発表した。  成長支援の取り組みでは、県内からの上場企業の創出や、後継者問題を抱える企業、成長を目指す企業の合併・買収(M&A)の仲介などの支援を進める。同行は、支援企業の事業拡大で取引先を増やしたり、新たな雇用の創出などにつなげる考えだ。

 同行によれば、これまでは企業の決算書から経営実績を判断して融資を行うのが主だった。このため創業や株式上場への支援の実績は多くなかったという。

 しかし県内では、少子高齢化や後継者不足で人口や企業の数が減り、市場が縮小する危機感がある。県民や県内企業から「より選ばれる銀行」(同行)になろうと、地元企業の成長に関与を強める方向にかじを切った形だ。

 福島銀行は、県内で会社経営に再挑戦する経営者に投資するファンドを設立した。大東銀行も地方創生推進チームを設置して企業の事業評価を重視した融資や経営改善の支援などに取り組んできた。  地域社会に長年根付いて営業する地銀などは、地元企業への融資を担うなど、地域経済への影響力が大きい。それだけに地方創生に中心的な役割を果たすことが求められている。

 金融庁は全国全ての地銀に対し近く、地元企業や地域経済への貢献度を測る指標を導入する。これまで以上に企業や地域経済に貢献することが求められていることも、県内の地域金融機関が企業支援を加速させる背景にある。

 一方、地域金融機関が企業支援に積極的に取り組むことは、県内企業にとっても事業の拡大や再生に向けて好機といえる。地銀などが持つ企業情報や経営のノウハウなどを活用して、企業も自ら新たな事業にチャレンジしてほしい。

 中小企業が多い県内では、財務基盤が脆弱(ぜいじゃく)な企業も多い。創業や事業拡大を望んでも資金不足で踏み出せない場合もあろう。地域金融機関は、中小企業の事業の可能性を適切に評価し、成長に必要な方法を提案しながら、企業を育成する役割を果たすことが重要だ。

 国、県は震災からの復興が地方創生につながるとして、復興策の加速化に取り組んでいる。県内の地銀などは地域企業の成長を通し復興に貢献しなければならない。