【7月29日付社説】子ども食堂/社会で見守り育てる環境を

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 子どもたちを社会で見守り、育てる環境をつくっていきたい。

 「子どもの貧困」が問題となる中、満足に食事が取れない子どもたちに無料や低料金で食事を提供する「子ども食堂」が全国で広がっている。県内でも、会津若松市や白河市などに開設されている。

 子どもたちが健やかに成長するためには、栄養バランスが良い食事を取ったり、安心して過ごすことができる場所があることが大切だ。その一翼を担おうというのが子ども食堂だ。

 厚生労働省によると、平均所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は2012年で16.3%に上った。同省の調査では、低所得世帯の子どもは野菜をあまり取らず、インスタント食品をよく食べている傾向が高い。貧困が、子どもの食生活や健康に影響を及ぼすことが心配される。

 子ども食堂は、親が病気などで働けず家計が苦しかったり、ひとり親で食事の支度がままならなかったりと、さまざまな事情を抱えた子どもたちを支援する「居場所」として開設されている。

 子どもたちがボランティアや地域の人たちと食卓を囲んで、ご飯を食べたり、一緒に勉強したりする。見えにくいと言われる家庭の貧困や虐待などの問題をキャッチし、児童相談所など公的な支援へとつなげる場にもなっている。

 子ども食堂の多くは、子育てや生活困窮者支援などに携わるNPO法人などが運営している。開催頻度は週1回や月1回などさまざまだ。現状は、民間による草の根活動だが、行政との連携を強めて子どもを守るセーフティーネットとして機能を充実させたい。

 子ども食堂のような役割を持つ「居場所」については、県も設置に向けて動きだした。郡山市の民家を借り、毎週土曜と夏休み期間中、ひとり親世帯の小学生に昼食を提供したり、学習指導などを行うモデル事業を6月から始めた。

 県は、モデル事業の効果や課題を検証し、各市町村に設置を呼び掛ける方針だ。市町村には、地域の実情に応じた設置や運営の在り方を検討してもらいたい。

 県内の子ども食堂は、企業や個人からの寄付や、フードバンクからの食材提供に頼り運営しているケースが多い。一方、全国では社会福祉協議会や社会福祉法人が運営にかかわっている例がある。

 子どもの貧困対策を進めるためには、子ども食堂のような民間中心の取り組みに、学童保育のような学習支援策を組み合わせるなど総合的な取り組みが必要だ。