【8月4日付社説】安倍再改造内閣/復興に腰を据えて取り組め

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 安倍晋三首相が内閣改造と自民党首脳人事を行った。

 首相は第3次再改造内閣を「強力な新たな布陣」と位置付けるが、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興への対応についてもそう言えるのか。

 被災地からみれば、残念ながらいささか心もとない布陣に映る。震災と原発事故からの本県の復興は道半ばであり、一日たりとも立ち止まっている余裕などないことを改めて認識すべきだ。

 復興を目指す本県として、指摘しておかなければならないのは、復興に関わる大臣の交代が頻繁にすぎることだ。今回の改造で、復興相だった高木毅氏、経済産業相だった林幹雄氏は閣外に去り、環境相だった丸川珠代氏は五輪相に横滑りした。いずれも昨年10月7日の大臣就任以来、在任期間は10カ月足らずという短さだ。

 今回の改造について地元首長や住民からは「交代すると、また最初に戻り、始めるような印象を持ってしまう」「復興が滞らないか心配だ」などとの声が上がる。

 復興、経産、環境相は、復興の要となるポストで、復興相は復興政策を一元的に担う責任、経産相は原発の汚染水対策と廃炉の確実な進捗(しんちょく)、環境相は除染した汚染土壌を保管する中間貯蔵施設の整備など重要な任務を持つ。

 今回の改造では、復興相に今村雅弘氏、経産相に世耕弘成氏、環境相に山本公一氏がそれぞれ就いたが、2012年12月の安倍第2次内閣発足以降、復興相と環境相は4人目、経産相は5人目だ。発足以来、留任している菅義偉官房長官や岸田文雄外相ら政権の要とされるポストに比べ、あまりに扱いが違うと言わざるを得ない。

 10年間の復興期間は、本年度から後半5年間の「復興・創生期間」に入った。安倍首相は経済政策「アベノミクス」について「エンジンを最大限にふかす」と語っているが、本県にとっては復興に向かってエンジンを最大限にふかさなければならない大事な節目にあることを銘記してもらいたい。

 新大臣にはパフォーマンスのような来県を繰り返すことなく、自らの意思でこまめに現地に足を運び、住民の声に耳を傾けながら最善の政策を考え、実現に向かって指導力を発揮するよう求めたい。

 新内閣の課題はもちろん復興だけではない。日本経済の再生は喫緊の課題だ。首相は事業規模が28兆円を超える経済対策を「未来への投資」と強調するが、大事なのは規模ではなく実効性のある中身であり、少子高齢時代の安心な経済運営を目指すべきだ。