【8月10日付社説】若者と投票率/明日のために政治に参加を

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 「18歳選挙権」導入後初めての選挙となった7月の参院選では、若者の投票率の低さが改めて浮き彫りになった。若者の政治参加を促す取り組みを充実させたい。

 県選管が発表した参院選福島選挙区の年代別投票率は、全ての年代で2013年の前回に比べ上昇したが、80代以上と、新たに投票に参加した10代を除き、年代が若くなるほど投票率が下がる傾向は今回も変わらなかった。

 県選管によると、60代と70代はともに70%を超えた一方で、20代は30%台、30代は40%台前半となり若者層の投票率は高齢者層の投票率を大きく下回った。若者の低投票率が、全体で57.12%と、参院選で過去3番目に低い投票率につながった形だ。

 若者の低投票率は、選挙が行われるたびに課題となる。このため県選管は参院選で、学生ボランティアと連携した投票呼び掛けや、会員制交流サイト(SNS)やテレビCMなどを使い若者たちに対する啓発に力を入れた。

 しかし今回の結果からは、これらの啓発活動が功を奏したとは言いにくい。投票率などを詳しく分析して啓発の在り方を再検討し、今後の選挙に生かしてほしい。

 今回の参院選から選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられた。注目された10代の投票率は41.39%で20代の投票率を上回った。しかし10代を詳しくみると、18歳は46.78%、19歳は35.80%と違いが出た。

 県選管はこの結果について、高校での主権者教育が始まったのが昨年後半からと遅かったため、模擬投票や討論などを通して投票の仕組みなどを学ぶ機会を得た18歳の方だけが高くなったのではないかとみている。

 選挙制度の専門家によれば、同じ年代の有権者層は、最初に投票した時の投票率と同じ傾向が続くという。県選管は今回の10代の投票率は、同世代が今後、選挙に臨む際の基本になるとみている。そう考えると今回の10代の投票率も決して高いとはいえない。

 現在の若者の低投票率は、将来にわたっても低い投票率が継続する可能性をはらんでいることを銘記し、若者の政治参加意識の向上に力を入れなければならない。

 若者が投票に積極的に参加しなければ、人口が多く投票率も高い高齢者向けの政策が優先される「シルバー民主主義」といわれる状況は変わらない。

 日本の将来を担う若者たちには「自分は社会の一員」としての意識を持ち、選挙で1票を投じる意味を改めて考えてほしい。