【8月14日付社説】介護支援ロボット/高齢社会支える強い味方に

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 介護施設などでの職員の負担軽減に向けたロボットの開発が、県内の企業で進んでいる。本県発の製品や技術を生かして労働環境の改善を図り、介護現場にある人手不足など課題解消を目指したい。

 介護の現場は、お年寄りをベッドから車いすに移したり、入浴の介助を行ったりする際、人手に頼る部分が多い。このため職員の体への負担は大きく、腰痛などに悩む職員も多い。そして、その負担の重さは介護職員の離職率を高める一因になっている。
 一方で、高齢化が進むにつれて介護を必要とする人も増えていくため、介護職員の不足は今まで以上に深刻化する可能性がある。

 最新技術の投入や開発など、あらゆる手だてを尽くして、介護職員の負担軽減や仕事の効率化を図り、より働きやすい環境を実現しなければならない。

 労働環境改善のための一策として大きな役割が期待されているのが介護を支援するロボットだ。県内では、南相馬市や飯舘村に工場を持つ菊池製作所(本社・東京都八王子市)、郡山市に新工場が完成したサイバーダイン(同・茨城県つくば市)、会津若松市に本社があるアイザックの3社がそれぞれ開発に取り組んでいる。

 菊池製作所とサイバーダインが開発したのは、介護職員が腰に装着するタイプのロボット。要介護者を抱え起こしたりする際、職員の腰への負担を3~4割ほど軽減する。アイザックは要介護者が楽に乗降でき、介助者なしで走行できる移動用ロボットを作った。

 ロボットの効果はどれほどなのか。試してみようと、郡山市にある「ふくしま医療機器産業推進機構」を訪ねた。腰に装着して約10キロの荷物を持ち上げてみると、腰の動きに合わせてロボットが作動。上半身を引っ張り上げてくれるような感覚とともに、楽に持ち上げる効果が実感できた。

 ロボットの装着には3分ほどかかった。1人で着けるには慣れが必要だろう。またロボットの重量は約3~6キロあり、長時間身に着けるのはきつそうだ。使い勝手の向上や、軽量化が課題となる。

 県は本年度、県内の介護施設や介護専門学校にロボットを貸し出して実用性を確認してもらっている。ロボット活用でどの程度、負担軽減と効率化が図られるのか。しっかりと検証しメーカーに伝えることが大切だ。メーカーはその声を確実に生かしてもらいたい。

 ロボット開発は、県が掲げる産業復興の柱だ。県産の介護ロボットが国内外で活躍する時代が到来するよう官民が協力し合いたい。