【8月16日付社説】地方創生交付金/若者の定着へ確実に生かせ 

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 地方の人口減少対策などの取り組みを後押しする国の地方創生推進交付金は、初の交付事業と配分額が決まった。本県関係では、県と県内市町村の計25事業に4億6700万円が交付される。

 被災地である本県の地方創生は、人口減少が進む地域の振興だけでなく、復興を加速させるという側面もある。県、市町村は計画した事業を着実に進め、若者の県内定着を実現しなければならない。

 地方創生推進交付金は本年度、各自治体が策定した人口減対策の5カ年計画「地方版総合戦略」の事業推進を支えるため新設された。配分対象は雇用創出やまちづくりなどの4分野で、国が事業費の半額を負担する。国は本年度当初予算で1千億円を計上した。

 本県関係の25事業は、地域経済を担う人材育成や雇用創出などに取り組む事業が採択された。いずれも地域内に働く場をつくって若い世代の流出を抑制したり、地域外から人を呼び込むことを狙う。

 このうち県と郡山、須賀川両市は連携し、本県出身の学生ら首都圏の若者の県内就職を促す事業を展開する。特に、医療関連産業の集積地としての強みを生かし、医療系人材を確保したい考えだ。

 また白河市など県南4市町村は、地域企業の情報や支援策を共有し、事業所の増加や、企業の事業拡大を支援する。磐梯町は国史跡の慧日寺(えにちじ)跡の魅力を全国に発信し、交流人口拡大などを目指す。

 事業の進行状況は翌年度の交付額に影響する。このため市町村は事業推進に向け、年度ごとに事業の見直し改善に取り組むことが必要だ。現状分析を行った上で、それを基に事業の推進体制を見直すなど、事業目標を達成したい。

 事業採択の際に国が重視しているのは、複数の自治体や官民が共同で実施する事業が他のモデルになるかどうかだ。初の事業採択では、全国で申請の1割弱が不採択になるなど、厳しく審査された。

 本県関係でも不採択や事業費が削減されたケースがあった。県や市町村が先進的な取り組みとして組み立てた事業でも、全国レベルでは先進性がないと判断された。県や市町村は、さらに政策立案のアイデアを凝らし、事業採択に向けて取り組まなければならない。

 総務省の昨年の人口移動報告によると、本県の15~24歳は4272人の転出超過となり、若者流出が続いている。地方創生は、東京一極集中を是正し、首都圏から企業や人の流れを地方に移す鍵となる。国は県と一緒になって市町村に助言するなど、市町村の取り組みを広げるべきだ。