【8月17日付社説】観光客5000万人/大台超えを再生の推進力に

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 観光客数の回復は復興に向けた大きな推進力になる。いっそうの誘客に努めていきたい。

 県のまとめによると、2015(平成27)年に、県内を訪れた観光客は5031万3000人で、前年に比べて342万人増え、東日本大震災後と原発事故後では初めて5千万人の大台を超えた。

 本県は、豊かな自然や食材、伝統・文化に恵まれている。本県の可能性を最大限に生かしながら、魅力を伝えていくことが観光誘客増につながる。5000万人突破をその弾みにすることが重要だ。

 観光客数は、原発事故の影響で11年には3521万人と、震災前の10年の5718万人に比べて約6割の水準まで落ち込んだ。15年は震災前の約9割の水準まで回復したことになる。

 県はこの結果について、昨年4月から3カ月間にわたり行った大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」の効果などを要因に挙げている。

 観光は、本県の主要産業であり、恩恵をもたらす裾野は広い。地域の活性化にもつながる。DCで培ったノウハウを確実に生かしながら、本県の観光再生を着実に進めていかなければならない。

 観光客数を圏域ごとにみると、会津には前年を1割強上回る約1597万人が訪れた。この数字はNHKの大河ドラマ「八重の桜」が放映された13年の約1629万人には及ばないが、震災前の10年の約1515万人を上回る。

 会津は、本県を代表する観光地であり、今後も本県観光のイメージリーダーとして、魅力やもてなしに磨きを掛けていきたい。

 他の圏域は、県南が震災前の水準をわずかに上回ったものの、県北、県中、南会津、相双、いわきはいずれも震災前の水準に戻っていない。観光資源の掘り起こしを進めるなど観光客の増加に向けて知恵を絞りたい。

 観光種目では、歴史・文化、スポーツ・レクリエーション、温泉・健康などの"定番"に交じり、道の駅などの「その他」が前年に比べて約3割も増えた。

 観光客のニーズは常に変化することを念頭に置き、ふだんから情報収集と分析に努め、柔軟に対応していくことが観光客増につながることを銘記したい。

 観光庁によると15年の県内の延べ宿泊者数は1147万人で全国13番目。震災前の10年は14番目であり順位は上がっている。復興が進む本県の現状をしっかり国内外に発信し、安心して本県を訪れ、過ごしてもらうことができる環境を県民一丸となって整えたい。