【8月23日付社説】リオ五輪閉幕/夢と感動を東京につなごう

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 4年後に開かれる東京五輪への試金石となる五輪だった。

 リオデジャネイロを17日間照らし続けてきた聖火が消え、南米大陸で初めての五輪が閉幕した。

 五輪旗が東京都の小池百合子知事に引き継がれ、開催都市・東京と日本は、次回2020年大会を成功させる責務を負った。

 リオは治安面を含めてトラブルが続出した。世界を覆うドーピングの闇も晴れなかった。インフラ整備の遅れや空席が目立つスタンドなど財政難による準備不足と運営の不手際が目立った。

 開催経費の増大や国民的な盛り上がりの欠如など、東京も数々の課題を抱えている。東日本大震災から復興した姿を示すという宿願もある。リオの経験を、東京に確実に生かさなければならない。

 日本選手団が獲得した金メダルは目標とした14個には及ばなかったが、前回ロンドン五輪から5個増えて12個となった。メダル総数は史上最多の41個に達し、4年後に向けて大きな一歩を記した。

 「お家芸」の競泳、柔道、体操、レスリングに加えて、バドミントンで初めて金を獲得し、カヌー、卓球男子、陸上の競歩で初のメダルを得た。テニスは96年ぶりのメダル復活だった。長い空白を超え、歴史の扉を開いた意味でも、価値あるメダルと言えよう。

 バドミントンや卓球は、低迷した時代に小学生の強化から手掛けた努力が実った。カヌーやテニスの選手は、若くして海外で技を磨いた。強化は一日にしてはならず、世界でもまれてこそ力が培われることを改めて教えた。

 レスリング女子53キロ級の吉田沙保里選手は4連覇を逃したが、58キロ級の伊調馨選手が、女子の個人種目では五輪最多のV4を達成した。吉田選手同様、外国勢に研究され、決勝は終了数秒前までリードされながらひっくり返した。バドミントン女子ダブルス決勝の「タカマツ」ペアもそうだが、多くの種目で敗戦の瀬戸際からの逆転が際立った。日本選手の心の強さ、冷静さが頼もしい。

 本県出身やゆかりの選手たちも全力で頑張った。夢舞台でひたむきに競技に挑む姿に、県民は大きな感動をもらった。東京でのさらなる活躍と新たなスターの誕生を期待したい。

 日本選手団の好成績は、国がトップ選手強化に乗り出した成果でもある。他方、五輪は、国民がスポーツに取り組む呼び水になる役割も担う。国の調査では国民の参加割合は減っている。競技力向上と運動による健康増進は車の両輪であることを再認識しておきたい。