【8月24日付社説】サッカー新時代/互いに磨き高め合い頂点を

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 サッカーの国内トップリーグであるJ1入りを目指すJ3の「福島ユナイテッドFC」と、県社会人リーグ2部の「いわきFC」の公式戦初対決は、本県サッカーにとって新時代の幕開けを感じさせる一戦となった。互いに競い磨き合い頂点を目指してもらいたい。

 公式戦での初対戦は、天皇杯全日本選手権の県代表決定戦決勝で実現し、福島が延長戦の末、いわきを2―1で制した。

 勝敗を分けたのは経験の差だろう。J3で3シーズン目を戦う福島は、新鋭いわきの攻勢を何度も押し返し、ここぞという得点機には、精度の高い攻撃力を見せた。27日に開幕する天皇杯全日本選手権の本戦でも、本県代表として活躍を期待したい。

 超新星とも言われるいわきだが所属する県社会人2部は、J1から数えると事実上8部の位置。しかし運動量で福島を上回り、攻撃を緩めないプレーを徹底して、後半には同点に追いつき、延長戦に持ち込んだ。今後も上位チームとの試合を重ね、経験値を上げたい。

 大分トリニータ元社長の溝畑宏さんは本紙インタビューに対し、「市民が夢を託すのはチームが成長するからだ。勝ちながらファンを育てなければならない」と語った。両チームにはファンと共に成長していけるような好試合を見せ続けていくことが求められる。

 J1入りを果たすためには、チームづくり以外にもハードルがある。スタジアムの整備や若い世代のユースチームの組織化などだ。

 特に多額の整備費が掛かるスタジアムは大きな課題だ。福島については、福島市の経済界が中心になってJ1の基準を満たす1万5千人以上のスタジアム建設を同市に求めている。いわきは、いわき市にスタジアムを造り、それを中心に街を形成する構想を持ち、具体化を目指す。

 これらのハードルを乗り越えるためには地域を挙げた応援が必要になる。福島はサッカー教室の開催や地域イベントへの参加に取り組み、いわきは人工芝の練習場を無料開放してサッカースクールを開くことなどを予定している。

 地域との交流や社会貢献の事業に積極的に取り組むことで応援の輪が広がり、市民らがチームを介して古里への誇りや愛着心を持つことにもつながるだろう。地域の復興や振興に果たす役割も大きいはずだ。

 その成果は地域にとどまらず、本県のブランド力向上にも貢献するだろう。両チームのJ1昇格に向けてチームとサポーター、地域が力を合わせたい。