【8月27日付社説】側溝の堆積物/具体策を示し早期に除去を

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 除染に取り組む市町村で、道路の側溝にたまった放射性物質を含む土砂などの堆積物が処分できない状況が続いている。国は早期に処分の仕組みをつくり、除去に向けた道筋を示すべきだ。

 堆積物の処理については県や県内の各種団体、自民党県連が政府に対し、福島再生加速化交付金を財源として推進を求めている。

 側溝の堆積物は市町村が道路の除染の中で除去する計画だった。しかし、時間経過による放射性物質の自然減衰などで放射線量が除染の基準を下回り、除染の対象から外れたため処理が滞っている。

 堆積物の問題を抱える市町村は世帯数が多い福島、郡山、いわき各市など中通りを中心に10市町村を超える。市町村や県は数年前から国に除去に向けた対応を求めてきたが、国から具体的な方針は示されていない。国は、市町村の環境回復に向けた取り組みを支えるためにも対応を急ぐべきだ。

 処理が滞っているのは、除去後の堆積物を保管する仮置き場や、埋め立てる処分場を新たに確保することが難しいためだ。

 除染で出た土壌などは、中間貯蔵施設に搬入することを条件に、仮置き場が確保された。しかし同施設に搬入できるのは除染で出た土壌や、放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレルを超える指定廃棄物に限られる。

 セシウム濃度が8000ベクレル以下の堆積物は一般的な廃棄物として扱われ、市町村が埋め立てなどで処分することになっているが、放射線の不安の声はまだ根強い。国は、除染の延長として中間貯蔵施設への搬入を認めるのか、原則通り一般廃棄物と同じく処分するかなど検討を進める必要がある。

 一方で、側溝の堆積物は調査が進んでいないため、全体量などの詳細が分かっていない部分も多い。このため市町村や国は、処理にどれだけの費用が必要なのかも想定できていない。今後は財源の確保も課題になってくる。

 いわき市は国の方針決定に先行し、除去のモデル事業に取り組むことを決めた。除染対象外の市道の側溝から堆積物を除去し、溶融処理するなど、効果的な処理方法などを検証する。国は、同市の取り組みを参考により効果的な処理方法を構築してもらいたい。

 側溝の堆積物は、降雨時に道路が冠水したり、夏場には悪臭や害虫が発生する原因となっており、住民の生活環境の悪化につながっている。国には、県民の健康や生活環境を守ることを最優先として対策を講じることが求められている。