【8月28日付社説】介護予防対策/地域の実情に応じた体制を

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 地域の実情に応じた介護予防サービスを掘り起こすため、全市町村に義務付けられた「生活支援コーディネーター」の配置が県内で13市町村にとどまっている。

 コーディネーターは、国が介護予防対策の新たな核に位置付ける制度だ。県内市町村は確実に配置を進めていかなければならない。

 コーディネーターの役割は家事の援助や、孤立を防ぐための居場所づくりといった高齢者のニーズを把握し、それらを地域で解決するための協力団体・企業へ橋渡しするなど多岐にわたる。昨年4月の介護保険法改正で2018年4月までの配置が求められた。

 これらの幅広い業務に対する市町村の理解が進んでいないことや、コーディネーターの負担の大きさへの懸念から人材の確保が進んでいない。県や国は、市町村に対する制度の理解や人材確保を積極的に支援すべきだ。

 県は昨年から、コーディネーターを養成するための講習を行っているが、実際の配置にはつながっていない現状にある。県は、各市町村にコーディネーターの必要性や、活動内容をさらに分かりやすく伝え、配置を促してほしい。

 65歳以上の人口が約55%に上る昭和村は昨年4月に制度を導入した。現在、村社会福祉協議会や村内のNPO法人に3人のコーディネーターを配置している。

 同村では伝統的に、多くの個人商店にお茶を飲むスペースがあり、村民の寄り合い所となっている。コーディネーターは、こうした既存の地域資源を活用して支え合い体制の構築を目指している。

 昭和村のような取り組みは、配置が遅れている市町村の参考になるはずだ。県には、先行事例を集めて市町村に紹介するなどの取り組みを求めたい。

 市町村は、コーディネーターの配置とともに、高齢者の支援に当たる福祉関係団体や企業などでつくる「協議体」も設置する必要がある。高齢者のニーズを満たすためのネットワークづくりを急がなければならない。

 25年には団塊の世代が75歳以上となる。県内では、震災と原発事故で高齢化が加速した市町村もある。避難指示が出るなどした浜通りの10市町村では、要介護・要支援の認定者数が震災前の1.4倍に増えている。

 医療や年金などの高齢者を巡る社会保障制度を維持していくためには、介護予防はますます重要になってくる。

 高齢者が安心して元気に生活できる支援体制をつくり、介護予防につなげていくことが大切だ。