【8月30日付社説】台風10号接近/万全な備えと早めの避難を

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 強い台風10号がきょう東北地方に接近し、上陸する恐れがある。厳重な警戒が必要だ。

 気象庁によると、東北の太平洋側に直接上陸すれば、1951年の統計開始以来、初めてとなる。10号は今年最大級の勢力を持ち、大規模な土砂災害や河川の氾濫など、重大な災害が起きる可能性がある。果樹や稲作など農業への被害も懸念される。被害を最小限に食い止めるために万全の準備と早めの避難を心掛けたい。

 今年の台風は異例さが際立つ。台風1号が発生したのは7月3日で過去2番目の遅さだったが、8月に入って急増し、上陸数では既に平年を超えている。7、11、9号と、北海道に1年間で3回も上陸したのも観測史上初めてだ。

 気象庁は、太平洋上にある冷たい空気の固まり「寒冷渦(かんれいうず)」が台風の発生しやすい環境をつくり出していると分析している。加えて、列島が東西にある高気圧によって挟まれるような気圧配置で東日本に沿う台風の経路ができた。

 10号は、八丈島近海で19日に発生して西寄りに進んだ後、沖縄の東海域でUターン。その後、寒冷渦に捕まって北寄りに向きを変え、列島に接近している。

 10号はこれまで海面水温が約30度と高い海域を移動し、勢力を強めてきた。日本列島のどこに上陸しても、広い範囲で大雨や強風をもたらし、大きな災害を引き起こす恐れがある。

 台風は通常、南から北東に向かうルートをとるため、他の地域に上陸して勢力を弱めた後、本県など東北に接近することが多い。10号の直撃を受けるような事態になれば東北にとっては初体験となる。いつにも増して気を引き締めて対策を講じなければならない。

 台風襲来時の備えとしては、不要な外出を控え、増水が予想される川や高波の恐れがある海岸など危険な場所に行かないようにする。田畑の水路に近づくことも危険が大きいことを銘記したい。

 避難場所までの経路をあらかじめ確認しておき、家族で連絡方法を話し合っておくことも大切だ。飲料水や乾パン、身分証明書、医薬品や携帯ラジオ、懐中電灯など持ち出し品を用意しておきたい。

 きょうから「防災週間」がスタートする。台風シーズンはこれからが本番だ。命を守ることを最優先に、行政は防災対策を推進し、地域住民同士も手を携えながら防災意識を高めて、被害防止へ備えを尽くすことが重要だ。

 東京電力には福島第1原発における汚染水や汚染雨水の管理を徹底するよう改めて求めたい。