【9月7日付社説】環境省に新部局/足腰強め中間貯蔵加速せよ 

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 本県の復興に欠かせない中間貯蔵施設の整備を加速させなければならない。

 政府が来年度、環境省に新たな部局を設置することが分かった。新部局は、同施設の整備や除染などの課題に一元的に対応するため、現行の担当参事官室などを集約して設置する方向だ。

 除染で出た土壌などを搬入する中間貯蔵施設の整備は、県の受け入れ表明から2年が過ぎたが、本体施設の建設に着手できていない。政府は、新設部局に権限と人員を集中させ、環境省の足腰を強める必要がある。

 政府は同施設の整備について、2020年度までに県内43市町村の仮置き場に山積みになった除染廃棄物など500万~1250万立方メートルを搬入する工程表を示している。工程表は用地取得を最大限進めることが前提になっている。

 用地取得については、本年度に入って約94ヘクタール分の契約にこぎ着け取得率が伸びているが、8月末現在の累計では予定面積約1600ヘクタールに対し、契約が116ヘクタールで約7.3%にすぎない。県の職員派遣を受けるなど110人の体制で用地交渉に取り組んでいるが、より多くの地権者と契約を結んで整備を軌道に乗せるためにも、用地交渉の経験者の増員など、組織体制の充実を急がなければならない。

 一方、政府は帰還困難区域の避難指示について、各市町村が復興拠点などを整備する地域を先行させて5年後をめどに解除する方針を示した。解除に向けて、来年度から除染と生活インフラの整備を一体的に行う考えだ。

 解除方針では、将来的に全ての避難指示を解除し、復興・再生に政府が責任を持って取り組む決意も明記した。解除には放射線量の低減が必要条件で、環境省に設置される新部局は、除染などの対策を着実に進めていく必要がある。

 除染や中間貯蔵施設への搬入、除染廃棄物の減容化とリサイクルなどの放射性物質の汚染対策は、それぞれが密接に関係する。しかし現行の推進体制は既存の部局に分散した形で整備され、方針決定に時間がかかった。このため市町村などからは環境省に対し、迅速な対応を求める声が多かった。

 原発事故から5年半となる中で、政府は、追加除染や汚染土壌の再利用技術の開発などの新しい課題にも迅速に対応しなければならない。これらは環境省だけでなく、省庁にまたがる国家プロジェクトだ。政府は本県の復興を成し遂げるためにも、速やかに意思統一を図ることができる組織体制を確立すべきだ。