【9月10日付社説】交通死亡事故多発/意識高め悲劇にブレーキを

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 県内で、昨年を上回るペースで交通死亡事故が発生している。この事態を深刻に受け止め、交通事故による犠牲者を減らしていかなければならない。

 県警によると、ことし1~8月の死者は61人で、前年同期に比べて14人多い。9月に入ってからも8日現在で、すでに3人が亡くなっている。

 死亡事故は例年、秋から冬にかけて多発する傾向にある。昨年1年間でも、死者77人のうち4割近くの30人が9~12月に亡くなっている。今年のペースだと、昨年の死者数を超える恐れがある。

 中でも酒酔い運転や信号無視、速度超過など悪質違反による死者は、前年同期より4人多い17人に上っている。交通事故は、当事者双方の人生を大きく狂わせることになりかねない。ドライバーは責任を自覚してハンドルを握らなければならない。

 今年これまでに交通事故で亡くなった人の半数近くは高齢者だ。高齢者が犠牲になったり、事故を引き起こしたりすることのないよう対策をさらに充実させたい。

 秋の日はつるべ落としだ。7月ごろの日没は午後7時すぎだったが、現在は午後6時前まで早まっている。日没前後の薄暗くなる時間帯に起きる事故に十分注意する必要がある。

 事故を防ぐために早めにヘッドライトを点灯したい。日本自動車連盟の2014年調査によると、安全性を高める目安とされる日没30分前からヘッドライトを点灯している車は、本県では1.1%しかなかった。

 ライトをつければ、ドライバー自身の視界が良くなるだけでなく、歩行者や他の車両にも自車の存在を知らせることができ、結果として事故防止につながることを銘記したい。

 歩行者も身を守るため、夕方以降に外出する際には目立ちやすい色の服装や、夜光反射材を身に着けたい。歩きながらのスマートフォン使用も危険だ。

 これから秋の行楽シーズンを迎える。初めて出掛ける場所もあるだろう。事前に目的地までの経路や交通状況を調べるなどして、不慣れな道での事故を防ぎたい。長時間の運転で疲れたら休憩を取ることも大切だ。

 交通死亡事故が多発する中、二本松署の男性巡査長が酒気帯び運転をしたとして道交法違反容疑で書類送検された。警察官は飲酒運転撲滅に向けて取り締まり、範を示す立場だ。県警は県民の失望や批判の声を真摯(しんし)に受け止め、信頼回復に全力を挙げてもらいたい。