【9月16日付社説】民進党新代表/党再建へ明確な対抗軸示せ

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 民進党のかじ取りを担う新しい代表に蓮舫代表代行が選ばれた。アベノミクスなど安倍晋三政権への明確な対抗軸を早期に示し、政権を見据える野党第1党として党を立て直さなくてはならない。

 多難な船出である。目前には26日召集の臨時国会や、10月の衆院東京10区、福岡6区の両補欠選挙が控える。代表選では台湾籍保有を巡る問題が取り沙汰され、経緯についての発言が変遷したことが党内外の批判を招いている。一刻も早く説明責任を果たしてこの問題を乗り越える必要がある。

 民進党は下野以降、政権をチェックする野党第1党でありながら、支持率が10%前後に低迷する。その間、自民党に衆院で2回、参院で2回の4連敗を喫している。政権を担う政党として信頼が回復できないのは日本をどのような社会につくり直すのか、有権者に示すことができていないからだ。

 そのために必要なのは「寄り合い所帯」とされる体質の変革だ。政治理念や政策が違う党員を包含できる求心力を持ったリーダーが不在で、事あるごとに路線対立が顕在化し党員の離脱、他党との合流などが相次いだ。この体質からの脱皮を急がなければならない。

 安倍政権との向き合い方に関して蓮舫氏は演説で「批判ではなく、堂々と提案力をもってしっかり戦う」と述べた。経済財政、外交安保、社会保障などの主要政策で対案を示して有権者に政権選択を迫るという姿勢を強調した発言だ。

 国内では非正規労働者や低所得層の増加、子どもの貧困などが社会問題となっている。地方ではアベノミクスの恩恵は実感できていない。こうした格差の解消は日本の再生につながる重要な課題だ。

 アベノミクスへの対抗軸として蓮舫氏は「安心の好循環社会」を提唱し、子どもの貧困の根絶や非正規雇用の廃止を掲げるが、選挙戦の最中、具体的な政策を提示はしていない。

 また、選挙期間中、論戦の焦点となった共産党を含む野党共闘の在り方や安倍政権が進める憲法改正への対応についてもより明確な考えを打ち出す必要がある。

 東日本大震災と原発事故の発生は、民進党の前身の民主党政権時だった。民主党は「福島の再生なくして、日本の再生なし」として、本県の復興に全力を尽くす決意を示していた。震災から既に5年半が過ぎたが、避難指示が出された双葉郡などの復興は始まったばかりだ。与野党の枠を超えて復興を着実に前に進めるためにも、最大野党としての役割をしっかり果たしてもらいたい。